ギャルゲー・エロゲーを中心とするレビューを綴るブログであります。基本ネタバレありです。
2016年は8作品。久々に熱が出た。今年は…今のところ気になる作品もない。

遥かに仰ぎ、麗しの

2010.01.19 by てるりん♪

28.遥かに仰ぎ、麗しの
ディレクター:朝妻ユタカ
プロデューサー:椎原旬
シナリオ:丸谷秀人(分校系)/健速(本校系)
原画:藤原々々
SD原画:仁之丞
BGM:ファクトリーノイズ&AG
主題歌:ツーファイブ

 

 

<ストーリー>
大学を卒業して教員免許を取ったものの、 教鞭をとる就職先が決まっていなかった主人公、滝沢司に、 上流階級の息女―お嬢様のみが通うことで音に聞こえた、 『凰華女学院』から誘いが来る。
一も二も無く、その誘いに飛びついた司だったが、 指定された学院の所在地は、 案内状に書かれた『自然に囲まれ風光明媚な』という言葉に偽りこそないものの、 周囲に民家の一軒すら見当たらない半島の果てだった。
日に数本しか通らないようなバス停で降り、半信半疑のまま歩き続けること数十分。
突然視界が開け、何とも時代錯誤な西洋風の広大なお屋敷が姿を現す。
その建物に負けず劣らず、大袈裟な装飾を施された門の柱には、 そこが目指す場所であることを証明するかのように、『凰華女学院』の文字が刻まれていた。 ・ ・ ・ やがて知らされる、真実の数々。
――ここは学院の『分校』として運営されていること。
――やんごとなき方々のお家事情などにより、 一般社会から隔離された少女たちのみが在籍していること。
何もかもが初耳な話ばかりだったが、全ては後の祭り。
こうして、世間から忘れ去られたような僻地に建つ女学院を舞台に、 一風変わったお嬢様たちのお相手を務める、司の教師生活が幕を開けた。(by オフィシャルホームページから引用)

 

<感想>(基本ネタバレあり)
第二回美少女ゲームアワードにも選ばれた作品。
お嬢様学校が舞台でいかにも…と思っていたが、蓋を開ければこれがまた結構良いお話で驚き。
基本泣きゲーと見ていいと思いますが、恋愛主体のゲームです。

■テーマ度数

pikautu
pikanaki
pikamoe
pikaomosiro
2 4 4 1

鬱…ヒロイン達の政治的背景などお嬢様らしい、家庭や社会の裏が絡まっている点を見ると結構重いシナリオが多い。
泣…どのシナリオもヒロインの悩みを浄化させる泣きを狙ったシナリオがほとんど。特に本校系ルート全般と分校系は栖香シナリオが泣ける
萌…キャラ造詣が可愛らしい+キャラクターの性格がお嬢様(初々しい点など)と絞っている点が好きな人にとっては◎。リーダさん萌え!
笑…コメディとしては弱く笑えない部分が多いが分校系ルートは基本コメディが日常を占めている。美綺を中心とした笑いが多い。

攻略ページ

 


ここ最近というのも、ブログのテーマでもある泣きゲーという題材から、色々なサイトを見て選んでプレイしているのだが、どうにも『マヴラヴ オルタネイティヴ』の印象が激しく強く残っているせいか、泣けると巷で話題の作品を選んでプレイしているのだが…
シナリオは良いけど、泣ける程…という作品とは中々出会えて無くなってしまって…。
そういう意味じゃ、久々に涙腺が緩んだ作品。

分校系ルートと本校系ルートでは様々に整合性がつけられない展開や特に主人公の印象(性格)が変わる所が一つの醍醐味でもある。

分校系シナリオは…丸谷秀人さん。本校系シナリオは…健速さんがそれぞれ担当しており、ライターさんが違う為に、まるでパターンが違う感じの出来具合。舞台は一緒ではあるが、細かい背景や展開など相違点多々見られる点は、一つのパラレルワールドと見てプレイした方がいいかも。といっても、ヒロインの性格自体はほとんど変わってないので、特に気にせずプレイは出来ると思います。
そういう意味では二度に美味しいゲームじゃないかなーと思います。

因みにシナリオのボリュームはすごいです。一人8時間前後ぐらいはかかるだろうと認識してプレイすべき…。攻略可能ヒロインは因みに6人。

 

シナリオ(41点)


本校系シナリオ
シナリオ消化順 風祭みやび⇒鷹月殿子⇒八乙女梓乃

分校系シナリオ
シナリオ消化順 仁礼栖香 ⇒ 相沢美綺 ⇒ 榛葉邑那

分校系と本校系はどっちが良かった?と言えば私的には本校系のシナリオが好みだったかなと思います。

本校系シナリオ主人公の恋愛に対する行動原理が上手く描かれており、ヒロインだけではなく主人公自身の呪縛も浄化しているから。主人公のトラウマとヒロインのトラウマがシナリオに密接に絡まっており、互いに認め合う過程が非常に丁寧。健速さんらしい主人公の描き方で、かなり好印象…というか印象よく描かれていると言った方が良いだろう。主人公がマンセー状態なので、読者によっては気分良く見られるのではないだろうか。勧善懲悪で味方と敵が分かれていた点も助長。

本校系はどこにでもあるような恋愛小説を細かく丁寧に描いた展開で、ヒロインが主人公対して恋心を頂く心情変化が上手い。ヒロイン視点と主人公視点を織り交ぜた過程が丁寧で、外観より内観を重視したディテールとなっている。

分校系とは違い政治的背景など各ヒロインによりシナリオに絡んではいるが、その環境から性格的に歪んだ一面として描かれる事が多く、直接的な絡みが ある描写といえば、鷹月殿子ぐらいのみである。ラストに関しても正直言えば、ヒロインと主人公の恋愛成就における一点のみに絞られている為に、政治的社会 的背面が曖昧となった終わり方でもある。所謂終わりよければそれで良し的な展開。

特に風祭みやびシナリオが顕著に表れており、いかにも誰でも出来そうな事をみやびと対比しながら進める様は一種の快感を覚えるぐらいじゃないのか…。そもそもみやび自身が理事長を兼任する事自体、物語としてリアリティに欠ける点でもありますし。
みやびシナリオはキャラ依存が非常に高いシナリオなので、私的にこの二人キャラクターとしてはかなり好きなので非常に楽しめた(笑)。風祭の背景から『小っちゃいけど、健気に頑張ってます』的な、モロ情出し的な展開なので嵌ればトコトン泣ける展開ではないかなと思いますが、根本的な解決がないまま、終わりを迎えているので、一つその後の重い重いアフター的な展開を出してほしいところw

鷹月殿子シナリオ八乙女梓乃シナリオは、周りに対して心を閉ざしており、主人公の深層心理(トラウマ)と直結したシナリオ展開が上手く恋愛描写と絡めた感じが良かった。
特に梓乃シナリオは政治的な背景も絡まず、梓乃自身が持つトラウマを克服しながら一つずつ丁寧に成長させていく描写は実に感動的。こういうさり気なく何気ないように展開を広げていくのが上手いなーと。台詞も非常に印象的なものが多く、全校合わせても最も良かったシナリオ。対コミュニケーションを重視した、いかにも真面目な学園物語って感じがした。

殿子シナリオは自身に対しての存在意義やアイデンティティを問うシナリオで、自立しているヒロインでもある為、家族に対しての愛情を司に求めている点などリアルに描かれているシナリオでもあるのだが、後半以降、殿子の海・空・自由から連想する飛行機ネタに突っ走ったり、あまり展開的には妙味や面白味がない部分に突っ込んでいったのが、、掛けている部分はわかるが、それ以上にラストの終わり方もあまりにもご都合敵な展開に…。殿子も好きなキャラだけに、結構勿体ない気がしたのですが。

 

分校シナリオはヒロインに翻弄されている感が強い主人公で、どことなく頼りがいの無い点など、主人公に対しては分校と比べるとあまりパッとしない。特に主人公視点のみで描かれている点が大きく、心情面の描写では分校系には及ばないが、ここぞという行動的な一面は本校系より眩しい一面もある。

背景に政治絡みが必ず入っている点などはお嬢様学らしい、ヒロインの背景を重くさせたシナリオでもある。一般的に凡人が関与出来ない世界でもある為、主人公の行動原理がもう一つで、やはり無理難題に対して都合良く事が進むのはご愛嬌というもの(主人公よりはサブキャラの活躍が目立つ)。ただ本校系とは違い、ラストに関してはどのヒロインに関しても結果を出している点が一貫性があって清々しくハッピーエンドを迎える点は良いかな。

私的に丁寧に描かれていた栖香シナリオが…、分校系はかなりエロい一面が浮き彫りとなっているので、展開的に整合させようとしているのはわかるが、やりすぎ感が否めない。キャラクターの良さもあるが、仁礼家との確執や相沢グループ、陽道グループとの確執などかなり政治的な背景がいり込んでいて、現実ではどうしようも出来ない、主人公と栖香の一種の逃避劇から生まれる恋愛を描いた部分でもあり、分校系としては恋愛色がより強い感じで、後半以降の展開には多少疑問が生じつつも、キャラ依存を全開に展開させたシナリオかなーと。ラストも歪な展開ではあるが、まとまりがあり良かった。そことなく波が用意されているので、感動という意味では泣けるシナリオでもある。

相沢シナリオは栖香シナリオとは対照的に事がポンポンと解決して進んでいく。実はおバカみたいだけどパーフェクト超人だった的な美綺。
故にシナリオとしての重みはほとんどなく、主人公が完全に翻弄されている事もあり、唯一全校シナリオの中ではアップテンポの明るい展開。単純に楽しむ、キャラクターが好きなんだ!っていう人ならば楽しめるシナリオかなと。私的にはもうワンパンチ欲しかったなぁ…コメディならばもっと相沢パパとの絡みやらワンボとの絡みを増やしてほしかった点もあるし、どうせなら栖香も含めた大爆笑劇ってのもアリだったが…。

榛葉 邑那シナリオはこのゲームのネタばらしみたいな展開です。というかあの複雑な分岐からたどり着くまで困難だってば…。シナリオ自体もかなり歪な展開でもあるが、邑那がヒロインの中でも最も自立した人間でもあり、感情の起伏を含めたシナリオの重さなどバランス良く描かれたシナリオ。実はあの人が…あーだったなんて!というような二転三転するようなシナリオ展開に他とは少し異質なシナリオ。分校系では主人公が最も熱かったかも、ぶっちゃけ、元気なうちにそれだけ啖呵切れよ!と思ったりしましたが、このシナリオ結構人間関係が入り乱れていて、特に主人公を中心とした、特に主人公と成長環境が似ているイェンと渉がある意味、司の裏と表の存在として描かれていたキャラクターだなと感じました。

こう書いてみると、恋愛を堪能したいならば本校に行け!重苦しいシナリオ、(エロもw)を堪能したいのなら分校に行け!って感じですw
まぁぶっちゃけ全体的に良く出来たシナリオかなと。

■BESTシナリオ : 八乙女梓乃シナリオ

キャラクター(14点)


■ヒロイン
それぞれ愛嬌があってよい。立ち絵は可愛らしい感じでいかにも萌え絵w リーダとみやびと殿子立ち絵がベスト。
リーダさんのシナリオとかあったならば非常に嬉しかったのでありますが…っ。キャラクターの性格としてはお嬢様系…?
というのは案外、三島や栖香あたりぐらいな訳で…。皆バランス良く、それぞれシナリオにあった性格で基本全員良いキャラで良かったと思う。

■主人公
本校系と分校系ではまるで違う。上記に書いたとおり。

■BESTヒロイン : 仁礼栖香

システム(13点)


■インターフェース
可もなく不可もなく。SAVEのLOADINGが時折おかしい動作するのだが…?
スキップ機能があっても、ほとんど初期段階から個々のヒロインルートに入る為、あまり意味がない悲劇。
みやび役の声の方って個人的に良いなぁ。

■CG鑑賞&回想シーン
全83枚と少なめ。しかし回想シーンは20シーンとかなり多いw
PULLTOPのエロシーンはかなりハードル高い気が…w
個人的には駄目っすw

 

CG & BGM(12点)


■キャラ絵
アップ絵などはもう一つかな…、立ち絵が私的には好み。全体的に可愛らしい感じです。
不満を言えば大銀杏や結城や金髪双子の立ち絵がないと激しく憤りww というかあれだけ頻繁に出てくる割には何故絵がないのかと…w
みやびルートしか出ない由があるのにっって感じでしょ。

■背景画
ドデカイ学校が舞台。自然に囲まれた場所で、雰囲気が出ています。

■BGM
全27曲。うち歌唱付きが3つぐらい。
麗しいと言うか、いかにも品の良いBGMです。

PULLTOPの良さはどんな場所が舞台でも、作品が醸し出す雰囲気がかなり良い所。かにしのもお嬢様学校が舞台だけあって、雰囲気がかなり良いです。ゆのはなやしろくまもそうでしたが、シナリオに関係なしに雰囲気で作品の良さを出している感じがします。

その他(4点)


繊細な描写が良かった。本校系の恋愛色の丁寧な描写に、分校系の重苦しく、少し熱いシナリオ。同じ舞台なのに全く別物的な展開や細かい相違点など、整合性が合わない部分はあるが、私的には二度美味しかった作品。

総評 84点(Bランク)


キャラクターが魅力的、シナリオも全体的に良く作られていると率直な感想。特に良くも悪くも主人公の良さがキラリと光った作品でもある。
お嬢様学校が舞台という割には、外観や表面だけで、案外重いシナリオの連続や泣きが入ったシナリオなど、期待とは良い意味で裏切られた作品でした。

お嬢様系+丁寧な恋愛描写を楽しみたい方ならお勧め出来る作品。

因みにタイトルは秀逸。上手く掛けたなーって思った。

 

遥かに仰ぎ、麗しの OP (youtube) OP主題歌 『風のRhythm』 歌:ゆうか

 

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