ギャルゲー・エロゲーを中心とするレビューを綴るブログであります。基本ネタバレありです。
2016年は8作品。久々に熱が出た。今年は…今のところ気になる作品もない。

BALDR HEART

2016.09.05 by てるりん♪

BALDRHEART 初回限定生産版96. BALDR HEART
制作 : 戯画 TEAM BALDRHEAD
シナリオ : 卑影ムラサキwith企画屋
原画 : 緋ノ丘シュウジ

 
 
 
 

< ストーリー>
“元”傭兵のシュミクラム乗りである瀧沢蒼は悩んでいた。

とある事情により戦闘力と職を失った蒼は、養父を頼り故郷である『海神』という島に帰ってきたが、
傭兵時代の相棒である三納岸ユーリが何故か島についてきた上に、ついてそうそう、記憶喪失の少女月詠を助けたことで、自宅に居候させることになってしまう。

~~~略~~~~

その時、蒼の前に自らを妖精と名乗る少女が現れ、戦闘能力を失った蒼のシュミクラムに同化し始めた—-

(By 公式から引用)

基本ネタバレあり

シナリオ(39点)
テーマ

テーマというテーマはない。BALDRシリーズが初めての人ならば、『アクション』+『サイバーパンク』主に電脳世界のいざこざを描いた作品。

エロゲ業界では屈指のアクションゲーかつシナリオも電脳世界を舞台に、シナリオ内に様々な伏線をばらまき、各ヒロイン個別(固定)ルートで徐々に伏線を回収して、終盤で一気に畳み込むという手法で、シナリオにも定評のあるシリーズ物。
メーカー作品を地雷に例えて、戯画マインとはよく言うが、BALDRシリーズは中でもメーカー屈指(面白いの意味で)のシリーズ作品で外れは少ない方。

感想

どうしても過去作と比較対象してしまいますが、シナリオの出来でいえば、SKYに引けを取らない出来だと思うし、コンパクトに非常によく纏まってるかと思います。
SKYはいわゆる、AIの黎明期における部分で、HEARTは黄金期、劇中では黄昏期と言われるだけあって、電脳体としての末期、ナノセンブラ、DC、ワイアードゴーストなどといったおなじみのワードも劇中によく使われており、深い部分でAIとは何たるものかをシナリオで語り込んでいる点は個人的には最も評価できる部分かと。

世界観も同様に企業間戦争など、国家単位で揺るがすような戦争があったりと、荒廃した世界観はシリーズを通して変わることはないですね。

◆ 月詠√
作品のチュートリアル的な感じ。
・30年前に起きた海神と府嶽の戦争
・甲華学装隊とテロとの関係
・フレイアと月詠の関係
・月詠は本当に絢夜花なのか?

といった点を踏まえ、月詠の二面性の苦悩をシナリオを中心に進むお話し。
物足りなさはあって、結局は学園生も全滅と、30年前の出来事をなぞり、破滅は避けるが、絢夜花の認識をも踏まえ自己認識することで結末を迎える。

◆ 菜緒√
そこそこ突っ込んだ内容。
・バイオプラントアセンブラにおけるDCの秘密造
・菜緒とフレイアの関係と出自
・海神(府嶽との)の密告者。

といった点を踏まえ、菜緒自身の出自と黒幕の一人でもある雄大とフレイアさんのとの関係が中心となって進む。
フレイアさんがいかにもBALDRシリーズに出てきそうな良キャラであり、そこそこに熱い展開もある。
BALDRシリーズらしいシナリオになるかと思っていたのですが、雄大が器の小さいかませキャラだったので割と小規模のドンパチで終わった感が強い。
やはり狭い枠組みの中では情報規制も(制作側の意図)あって、盛り上がりに欠ける。

◆ ユーリ√
かなり突っ込んだ内容。
・主人公の出自
・ユーリとカンナの幼少時の境遇
・輪廻機構と天本博士の関係
・亡霊について

上記を中心に、道中は月詠、菜緒√の内容を含め、主人公の出自に迫る内容となっている。海神から舞台を離れ、敵の本拠地でもある府嶽が舞台となっている。ユーリの性格から道中主人公に対しての突っ込み役が多く、相棒と言われても、SKYにおける甲とレインのような関係性が薄く、どうもしっくりこない。というのもユーリの役割自体が、主人公の監視を含むもので、ここらへんヴィルヘルムとの盟約もあり、そう考えると一歩引いた目線で接していることもわかる。
逆に言えば、監視という名目がありながら、主人公に対して情が芽生え、共に本当の相棒になるという過程は悪くはないが、傭兵時代の回想ややり取りが全くなく、企業間戦争の縺れから、出自に至る経緯を得て、初めてその関係性が語られるため、どうしても希薄に感じざる得なくなる。

内容自体は作品の根幹に触れる部分もあって面白くなってきた!という感じ。

◆ 凪√
・妖精の正体
・主人公と凪の正体と役割
・みさきの正体
・新免夫妻の存在
・30年前の企業間戦争の真相
・etc

全ての伏線を回収します。変わらずオチで怒涛の展開の連続。うん、やはりBALDRはこうでなくっちゃ!と思えるような展開に胸躍る。
妖精の正体やみさきの正体、新免航一郎とカトウの関係あたりが驚き。展開ももはや企業間の問題ではなく、AI全てを揺るがすような風呂敷の広げ方に、驚きの連続よ。

序盤から怒涛の月詠~ユーリ√の回収で、今までにない海神アドバンテージに進むあたり、他の3シナリオは一体何だったのか…と思わざる得ないが、そこからまさかの24章までシナリオがあるとは思わなんだ…長い。

ドレッドノートからの下りは、フレイアwith甲華学装隊の結成あたりは熱かった。話の中盤ではあるが、良い意味で流れ良く持ってきた感じ。

AIにおける輪廻や死生観といった内容に深く突っ込んでおり、AIにおける死の意義、定義、エスの深層真理の成り立ち、これら宗教要素が強い観点ではあるが、非常に面白い話の広げ方。亡霊がシュミクラムや人間にとりつく、”信じるものと信じないもの”、この定義により”見えるものと見えないもの”が俄かAI世界における真実を折り曲げることがある、このようなオカルト要素が非常にそそられる、現実にはない、AIの世界だからこそ語れる、こういった展開はSF要素を含め、シナリオが上手く紡いでおり、読むだけでも面白かった。

現実における凪の存在が忘却され、幻想のみが歩き出す点は強引すぎる設定で、忍者というのもわかるが、どう考えても突っ込みどころは多い。
『まぁなんとなくわかる、想像できる』範囲内であるので、許容は出来るし、冒頭から御伽噺を語るように、王子様のキスで目覚める最後の持って行き方は結構好きかもw

~みさきまでのバトルの流れは流石だし、話の広げ方や締め方も、しっかりと伏線を回収した上で、しっかりと締めているので、なんだかんだ言って面白い。BALDRやってる感がある。

惜しい点が、
悪役たる悪役が皆無だった点か。カトウにせよ雄大にせよ、航一郎にせよ、みさきに至っては空回り感が酷く哀愁すら沸く。BALDRシリーズの世界観における悪役って非常に重要だと思うし、それを打破する為の伏線回収って流れが最も盛り上がると思うだけにHEARTはこの点で惜しかったかなと思う。

後は、全体的に学生主体となって話が進む点で、菜緒など典型的に一番早く死にそうなフラグを立てそうなキャラだけに、月詠以外のルートでは学園生がほとんど生き残る展開が多い…。あれだけ荒廃した世界観において傭兵、シュミクラム乗りとしての腕で生計を立てる世界だけに、経験の少ない学園生が奇跡的に生き残る展開って、いくらなんでも海神の加護やチート級なウィザードがいるとはいえ変な話よ。それでいて堂々と本拠地に突っ込んだり、堂々と危険地域を散歩したりと、危機意識の無い学生達の行動が…。

それにフレイアさんのようなキャラが少ない点が実に惜しい…。ヴィルヘルムさん、フレイアさん、中将(ほぼ終盤のみ)と傭兵としての生き様を語る様なキャラ、熱いおっさん臭がするような男、女キャラが数少ない…これら歴戦の兵たちが世界観を構築するのだと思うんだけど、それが少なかった、個人的には非常に惜しい…っ!と思う最たる点。

これらを総じて、感情移入出来る点が少なかった、という点に帰結するということです。熱くなれる点が少ない、涙が出るような展開が少ない、魂が燃える!!こういった展開がもっと欲しかった。実に惜しいと思う。

まぁなんだかんだ言っても、シナリオに戦闘パートは面白いに超したことはない(しつこい)。

キャラクター(12点)
ヒロイン

・月詠
根っこ武人かつ仲間想いで激情的な一面も見られるヒロイン。料理が得意というのは意外。
全体を通して序盤から活躍しており、やや常識外れながらも、自身の境遇から絢夜花との人格に悩まされるも、芯があり克服する精神力も兼ね備える。
屈指のシュミクラム乗りでもある。

・菜緒
生徒会長さん。役職通りに皆を引っ張るリーダー気質で照れ屋さん。
至ってシンプルな性格。猪突猛進タイプと思いきや冷静で、周りに同調出来る点もあり、かなりの仲間想い。
甲華学装隊に強いあこがれを持ち、郷土愛も人一倍強い。

・ユーリ
ポジティブシンキングな少女。下ネタで主人公にちょっかいかけたりと、突っ込み役担当。
傭兵らしく戦闘能力が高いが、その実、DCでもある。
サポート役が多い。

主人公

冷静沈着で、SKYでいう甲とタイプがやや似ている感じがする。
経験不足という割には潜在能力は高く、百戦錬磨の中将をストーリー上とは言え倒すポテンシャルを持つ…。
BAD ENDINGでは全て腐るケースが多く、恐らく女性に対しては一途で、依存度がかなり高い。
まぁ夢が普通に家族を作り幸せに暮らす事、というだけある。

システム(19点)
総プレイ時間

一通りエンディングをコンプした時間を見たところ、35時間ほどだった。
SKYほどのボリュームは無く、クリアさえできれば一気に凪ENDまでにいけるので、実質もうちょい早くクリア可能かも。

インターフェース

まんまBALDRシリーズ。
細かいインターフェースにタッチパッド対応など、致せりつくせり。

メモリの消費量が半端ないんだが…。それなりのスペックPCは使ってはいるんだがなぁ。
戦闘時は場合によっては、オープンコンバット時に固まったり、FCで重たくなったりする。あとやたらメモリ落ちした。

その他

CGがかなり少ない。

サバイバルモードはまだ未プレイではあるが、ユーザー登録していればネット上のユーザーランキングなどにも参加できるので腕試などにいかが?

◆ バトルシステム
兵器の”擬人化”は昨今の流れかな。これらって甲華学装隊の面々!?嘘だろ!?どんだけ個性的な集団だったんだよ!と野暮な突っ込みは置いといて、個人的にはまぁ悪くはないけど、毎回の戦線党のセットアップの一言が微妙だったりと、若干ウザイ感はあるが、シュミクラムの武器の自在性って割とこういうのにシンパシーがありそうだし、個性的な武器たちってのも良いかも。信頼度で解放される武器っていう設定も普通にやり込むよりかは楽しめるので良いし。元の設定が妖精さん達なので、意図されたものだろうけど。

肝心の戦闘パートはSKY同様に面白い。コンボの組み合わせやFCの使い方、今回はFEIあたりが更にコンボを繋げる楽しみの要素に加担しているので、やり込み要素は(主にコンボゲーとしての)十分かと。相変わらずのBALDRだぜ!って感じ。ZEROの3Dも悪くはないがやはり2DこそのBALDRって感じが(懐古厨臭いが)良い。

CG&BGM(15点)
キャラ絵 / 背景画

菊池さんや網島さんの絵でもなく、緋ノ丘シュウジさんが原画担当。
見た目通りにポップな風貌で、萌え要素が高いキャラ絵。
可愛い。特にカンナが可愛い。

BGM

相変わらず素晴らしい。
BALDRと言えばKOTOKOさん。サイバーな曲調で、FORCEの主題歌に近い曲っぽい感じ。

n/a, Rise of Childrenを聞くと、ぞくぞく来る。Blue Lightningなど、やはりここら辺の曲を聴くとBALDRしてる感がめちゃくちゃ出ていいわー。
Don’t Believe The Truth, No Weapon Sharper Than Willこれも長いけど、めちゃくちゃ良い。
最高やわー。

In This Worldがやや印象薄い…。

その他(4点)

うん、やっぱり戦闘パート、シナリオの伏線回収、BGM、インターフェースを見てると、BALDRしてる感MAXやねー。
今回はシナリオも面白く夢中になれたね。

総評(89点 Aランク)

面白かった。相変わらずのBALDRだ!
過去作に比べて熱くなれる展開や涙が出るような感動的な展開、魂が燃え上がる様なバトルパートの入り方、ここら辺が圧倒的に少なかった…涙。惜しい…。
個別のヒロインに関しても感情移入できるような展開もなく、キャラクター愛が弱い点も残念ではある…!もっと傭兵臭い会話や展開が欲しいんだよ!

後はシナリオがBALDRシリーズ屈指に面白かっただけに惜しい、実に惜しい。

バトルパートに関しては相変わらずの安定感なので、バトル目当てならおすすめ。熱い展開を望むならSKY未満。シナリオだけを読むならSKYと同等、それ以上、って感じかな。(主観的)

Sign of Suspiction 歌:KOTOKO

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BALDR SKY Dive1 “LostMemory”
BALDR SKY Dive2 “RECORDARE”
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