ギャルゲー・エロゲーを中心とするレビューを綴るブログであります。基本ネタバレありです。
2016年は8作品。久々に熱が出た。今年は…今のところ気になる作品もない。

魔法使いの夜

2012.04.17 by てるりん♪

魔法使いの夜 初回版 (Amazon.co.jpオリジナル特典ポストカード付)58.魔法使いの夜
企画:武内崇 / 奈須きのこ
シナリオ:奈須きのこ
キャラクターデザイン・原画:こやまひろかず
プロイキッシャー オリジナルデザイン:PFALZ
キャラクター原案:武内崇
色彩設計:こやまひろかず

 

 

<ストーリー>
1980年代後半の地方都市・三咲町。この町では、「坂の上にあるお屋敷には、2人の魔女が住んでいる」という噂があった。田舎から三咲町に引越して来た 男子高校生・静希草十郎は、転校先の生徒会長・蒼崎青子と孤高の美少女・久遠時有珠と出会う。しかし、実はこの2人こそ例の屋敷に住む魔女だったのだ。そ んな3人が、ひょんな事から屋敷で共同生活を始めることになる。

(by wikipediaより)

■テーマ度数



グロ
2 2

驚…シナリオにと言うより演出のすごさに驚き。
グロ…んーFate程じゃないけど一応そういった描写はあります。エロなしとはいえR15だしね。

待望のメーカーの新作がやっとこさ出ました。まぁFDを抜けば前作のFate/StayNightから随分の年月が経ちましたが、すごく楽しみにしてた作品です。
奈須さんの世界観は受け付けにくいものはありますが、個人的に好きですし、Fateや月姫など超大ヒット作を飛ばしてきたメーカーでもあるので…。

一体どのような作品だったのか…

(ネタバレあり)


シナリオ(38点)


因みに型月作品に関しては月姫(ほとんど覚えてないw)、Fate関連作品のみ。その知識だけで作品をプレイ。

シナリオに関して言えば地味としか言いようがない。
根源の渦やら第五の魔法、月姫や空の境界の沿線上にある作品だが、この作品に関して言えば、いわばキャラクターの心情を綴り、人間(対人)関係をより演出的にアンリアリティに描いた叙情的な物に仕上がっている。
『魔法』の概念など簡単な説明はなされているものの、根本的に作品に『目的』が無い為、見終わった後は特に何も残るものはない。
残るものと言えば、演出の素晴らしさと世界観が尾に惹くように胸に残る、何とも芸術的な作品である。

Fateのようにシリアスとコミカルと極端に分かれていない、発売までの月日を考えるとボリュームの少なさと値段的な兼ね合いを見ると不満を覚える人は多数いるだろう。
演出に力を注ぎこんだためか、延期の理由は定かではないが(単にわからんだけw)、しかも三部作の位置づけってのも知らんかったので、ある意味、スタート的な作品としての位置づけなんだろうな。(処女作でもあるので恐らく原作のままどうしても描きたかったんだろうな)
演出面の強化を含め、試作的な意味合いも強かったのようにも思える。

個人的には満足な出来なんですけどね。とにかく演出に見とれたし、シナリオもキャラクターに絞り、演出を伴ったキャラクター描写もきのこ的表現ながら彼女達の心情が上手く表現されてて、作品を読んでいくというより、読まされた感覚がとても強い。(良い意味でw)
テキストは相変わらずと言うか、山籠もりしていた少年がどうしてそんな語彙や回想を物語るのか、ちょっとした厨2病と言うかナルシズムが入ったテキストが、微妙に拒否してしまいそうだけど、なんだかんだ言ってのめりこんじゃうという…きのこ節w ベオVS三十郎のシーンとか無茶苦茶すぎるけど、つい収まってしまうところとかw

Fateに比べれば彼女達の性格やテキストもそうですが、随分抑えられていた感はあります…。激熱ってシーンが無かったのが珍しい。ベオVSシーンはその一環だろうが。

結果から言えば時代錯誤な三十郎を通し、80年と言う高度成長期に対して相反的な立場である魔法使いと言う立場を対比しながら、三十郎と言うある意味もう一人の『魔法使い』に自身をトレースし、魔法使いとしての在り方を見つめ、そして『何か』を見つける、そんなちょっとした成長物語。

決して相容れる事はないけど、魔法使いとしての宿命を背負い、全てを捨てた(背負った)青子、環境は違えど三十郎も同様な立場であり、互いに持っているもの、持っていないものを会話や生活を通して感じ、互いに補完することで一つの感情を得ることが出来た、恐らくそれは交わることはなさそうな感じではあるんだけど、ラストを見る限り、さっぱりとした気持ちになれたってのは、冒頭から有珠と語っていた『魔女としての在り方』を見出した、または決意、いや寧ろ自身の人生観を確立させたというところだろう。

割と曖昧な表現ではあるんだけど、ここら辺の過程って演出や表現を通して美しく描かれてるんよね、特に水族館のシーンやら三十郎が有珠をおぶってるシーンとかきれいに描かれてるんよねー本当映画みたいにね。

ビジュアライズノベルってこういう表現を持っと出してほしい、場所やシーンを重ね合わせて芸術的に表現させる方法。言葉だけでは伝わりにくければ物に頼るもの有りだしな。

キャラクター(14点)


■ヒロイン
・蒼崎青子
遠坂凛などのプロトキャラだけに、さばさばして気持ちの良い少女。
意思の強さと行動力の高さ、頭が切れ、活発的な点などは印象的。
時に熱血キャラになったりと色々と忙しい女の子、魔術師とはいえ学園ではノーマルな女の子なので結構魅力的。

キャラ受けがかなり良いので奈須きの子さんのダークな世界観とは相反する立場にいるような感じ。優等生でありながら一部怠惰な面もあり、気に入らないものはズバズバ物言う女王気質。
CGがすごく綺麗なので、見栄え良いし、遊園地のシーンは凄まじくかっこいい。
魔術回路の演出シーンが特に美しくて、それはもう見惚れるほどに。ラストの完全体青子さんは何故か髪が相反した色彩になってたりしてるのですが、
すごく気になります。

・久遠寺有珠
個人的には一番のお気に入りキャラ。
青子が動ならば、有珠は静。
口数が少なく対人関係も良いとは言えないが、かなりの負けず嫌い。
ロビーで居眠りする演出シーンがとてもじゃないけど見惚れててしまいます、可愛いらしいけど官能的な風貌も素敵すぎです…。

正直本編以外のコミカルな絡みが一番見たかったキャラクターだけに非常に惜しい…。
Fateのような日常にコミカルな展開があれば面白かったんだけどなぁ…。

・静希三十郎
文明から離れた現代に生き残った原始人。
シナリオを通して青子や有珠にとって自身が持つ信念や性格を揺さぶる鍵となる第三者。
F/Sのシロウとは違い『個』を持たないために、順応性がかなり高い。

シナリオの鍵になるのだけど、彼の山を下りた真意がもう一つつかめない。(わからんw)
三十郎が痞える棘など、異常に新たな異常を投げ込むことで、最初は交じあう事がないのだけど、調和していく様がスッキリとラストで拭えたので…。
と言っても不完全ではあるんだけどね…詩的で抽象的な会話が多いが特徴なライターさんだけど、今回のテキストは割とわかりやすいような表現が多かった気もするんだがー。
相変わらず世界観を表す造語やテキストは癖あるんだけど、、。

演出が最大限にキャラクターの魅力を引き出してくれる。

・その他サブ。
橙子さんは空の境界線見てないので、何とも言えませんが…。
今作に至る過程では最後の強敵な位置づけですが、割と地味に映ります。
キャラクターの魅力はアーカイブを踏まえて伝わってくるのですが、、今回は蚊帳の外って感じかなー。
ベオの存在意義ももう一つだし、、やっぱ悪役は地味だなー。

他は閣下や木乃実などはキャラ受けの良さそうな感じで、奈須作品にはよくいそうなキャラ。
主人公との絡みが多かったけど、もう少し学園を中心とした描写も欲しかったなーって感じもする。
12月初初旬とほぼ冬休み手前から作品の始まりだからねー。

 

システム(20点)


■インターフェース
画面サイズが640×360~最大1920×1080とインターフェースのサイズは多くあり、ディスプレイに合わせて自分が見やすいサイズでプレイできます。
後は確認ダイアログの位置設定ぐらいで、通常のギャルゲーにあるような機能設定が行える。
非常にシンプルで見やすい。文字サイズなども特に違和感なく、スピードもデフォルトで細かく調整されているので特に問題なし。

演出。
最大の売り。もしこの演出がFateで実現されたならば、それはすごいことになったんだろうなーって想像に容易い。
それぐらい見ごたえのあるグラフィックと演出。

特に有珠のフラットスナークは、それはもうおとぎ話を見ているかのような素晴らしい演出だったなぁ…。(童話が有珠の魔法の根源なんで当然ですが)
有珠と橙子さんの一瞬のやり取りも見物だけど、大規模な戦いが『魔法』らしさを演出する意味では5章の演出は凄かった。

後スペック悪いと演出シーンが重くなるののでお気をつけて。
演出が最大の売りなので、これがコマ送りとかにあると凄まじく萎えるのでサイトで対応環境のチェックを忘れずにね。

■CG鑑賞
まだ完全にアーカイブ見てないが、250枚以上。(単にCG鑑賞の数ね)
演出はグラフィックにかなり凝っているし、作品の短さを考えると、十分かなと思う。
演出CGは文句なしに最高。動き回るほどではありませんが、細部まで拘りが見えます。

期間を考えると十分に開発できるほど資金があったのかな…Fateがグッズやアニメ化など見る限りバカ売れしてるからなぁ…。

■その他
アーカイブで本編以外の断片ストーリーを見れます。時系列に沿っているので、新しく本を追加しましたの後に見ると良いかも。

CG & BGM(15点)


■キャラ絵 / 背景画
まぁ言わずともな。演出とCGすげーだけに当然の如く、背景画も人物が美しい。
世界観を二重に三重に相乗効果で雰囲気出てるだけに、文句なしに最高と言わざるえない。
キャラ画はFateと比べると随分良くなったと思うが。

日常も戦闘もキャラクターの魅せ方が上手いので大満足。

■BGM
全体的にクラシック調。クラシックを改変したBGMの旋律も耳に心地よく残る。
違和感もないし、戦闘時のBGM実に良い。

システムに関しては何の問題もありません。

その他(5点)


読ませてくれるシナリオ、奈須きの子さんの世界観を最大に活かした演出。かなり引き込まれた、私的にサクサク読む方だが、じっくり読んだのにあっと言う間に終わった。短い点と値段の兼ね合いになるだろうけど、、個人的にはかなり満足の出来。面白かった。逆に言えば今回の作風に対して思えば短い方が良かったかもしれない。

 

総評 92点(Aランク)


総評を言えば、かなり満足。あと一歩と言うところ。
Fateもかなり面白いけど、作風と世界観、演出などがこちらの方が好みだったので、ランク的には上。
これに日常にコミカルな一面やシナリオに大きな目的を持たせ一貫性のある作品に仕上がっていたなら間違いなく、指3本に入る作品になってただろうなーって思う。
個人的にはこの世界観に浸れただけで満足なんっすよねー、それを可能とした演出が最大の起因であったわけで。

もし続編、三部作であるならば即買いなんだけど、何年後になるんだろうな…。

まー作品が短い、シナリオが地味、奈須きのこさんの世界観が大好きだよ!!って方ならば前者二つを踏まえた上でお勧めできる作品。と言うか恐らく信者向け作品だろうな…。オイラはそうでもないが楽しめたけどな。

■OP/ED
無し。ラストのED曲はsupercellの『星が瞬く夜に:
supercellの曲、歌詞は青臭い青春物が多いがメロディなど旋律がすごく好きなので、発売前からかなり聞いてました。
タイミングとしてはあんな感じかなー。 この作品ある意味Boy meets Girl的な一面もあるので、割と作品と青子のキャラに似合った曲だと思います。

 

■関連作品
Fate/stay night
Fate/hollow ataraxia

 

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