ギャルゲー・エロゲーを中心とするレビューを綴るブログであります。基本ネタバレありです。
2016年は8作品。久々に熱が出た。今年は…今のところ気になる作品もない。

グリザイアの果実

2011.06.12 by てるりん♪

51.グリザイアの果実
制作:フロントウイング
キャラクターデザイン、原画:渡辺明夫(由美子、みちる、千鶴、他)、フミオ(雄二、天音、蒔菜、JB、一姫、他)
SDキャラ:ななかまい
シナリオ:木緒なち、藤崎竜太、桑島由一、かづや
BGM制作:Elements Garden

 

 

 

<ストーリー>
物語の舞台は、「三嶋崎」という名の海辺の町である。三嶋崎には2011年5月現在、約1年前に設立された「私立美浜学園」という全寮制の学校が存在している。同月24日、主人公の少年「風見雄二」がここへ転入生として訪れることから物語は始まる。

外界から隠すように、そして守るように高くそびえる塀に囲まれた美浜学園。生徒は僅か5名しか在籍しておらず、そのいずれもが女子であった。唯一の男子生徒となった雄二は、個性豊かな女生徒達に囲まれ、賑やかで平和な毎日を過ごしてゆく。

だが、そうした一見明るい日常とは裏腹に、美浜学園の生徒達には、それぞれ他人には話すことのできない暗い過去が秘められていた。雄二は学園生活を送るうち、その中の一人の少女の抱える秘密を知ることになる。

(by wikipediaより参照)

■テーマ度数


pikaomosiro
pikamoe

5 4 4 3

鬱…いや、これがテーマですから。
笑…薪菜と幸の掛け合いと主人公の絡みがドスのように効くw 基本下&アーミーネタ
萌…薪菜可愛すぎる。
狂…まぁ背景が殺伐としてますので。

久々にエロゲーしたような気がするな…。
寝る時間を惜しんでやろうとすると翌日体がだるくて集中力が途切れてしまうわけで…。

グリザイアは評判の良い鬱ゲーと聞いては是非ともプレイしたくて購入しました。

なるほど…評判通り面白かった。
では感想です。

シナリオ(44点)


 

作品にボリュームがあり、共通だけでも10時間近くは取られるのではないだろうか。全てをコンプリートするだけでも30時間近くかかります。

各ヒロインのシナリオによって出来映えが大きく変わってくる点は、複数のシナリオライターがそれぞれのヒロイン個別を担当するとどうしても違和感や主人公の性格などが変わってしまったりと、整合性が取れなくなってしまうのは否めない。

それでも私の中ではほとんどのシナリオにおいて及第点得ています。完全なトラウマゲーであり、ヒロインたちが持つトラウマの背景、トラウマを持つまでに至って過程がしっかりと描かれているからです。各ヒロイン事によっては描写の差が出てきますが、それを置いても全体を見ても面白かったの一言。

共通
テキスト量ぱねぇ…、専門用語わかんねぇ…、でもおもしれぇ…、なにこれ!?
会話のやり取りが面白い!!主人公が軍人上がりという視点なのでフルメタを見ているような感じなんですが、やたらと突込みが正確なのは多人種との絡みや師匠との関係があったからなのだろうか?

主人公が持つネタの引き出しが細かく、ライターの熱意がかなり伝わる。
共通は基本類似した演出が多いが、私的には細かいネタのオンパレードでとにかく興味をそそられるネタが多く面白かった。

ヒロイン絡みのネタとしては薪菜と幸との絡みが個人的に大好き。
会話の大半が下ネタ構成というのもエロゲらしい。、
薪菜の自販機下ネタと…もう一つ大爆笑したのあったんだが、忘れた…。
幸の辛みも常軌を逸しているので見ている分にはかなり笑える。特に二人は容姿が可愛らしいこともありそのギャップに受けた。

更にヒロインが持つ個性とトラウマが絶妙に絡み合っており、時折言動に現れる異常性が個別のシナリオにそれぞれ活きているわけです。
それだけ伏線の張り方が上手いというか、よくできているなと感心します。

・個別。

複数ライターさんだけにそれぞれ出来映えの良さがかなり目立ってくる訳で。私的にお気に入りのルートを。

天音シナリオ
個人的にベストシナリオ。
作中では真面なヒロインの部類に入る天音だが、天音ルートのトラウマ度合いは半端なかった。

彼女の人格を形成している大半が一姫と事故によるもので、特に『食』の管理に関して相当緻密な点はまさにトラウマからくるもの。
主人公に対してスキンシップや好意を寄せるのも、トラウマの背景によるもの。
エロゲのヒロインの割には普通というか真面なだけに(ビッチではあるがw)その反動が大きい。というかその背景を知るとビッチという見方が180度変わりますw
事故~脱出までの経緯を見る限り、どうなるかは予想はたやすいが、それを差し引いても天音が持つ過去の心的外傷がどれだけ凄惨なものかは想像にたやすくない。

『生きている』事、幸せになる事が罪と思う天音の心境に対して主人公がどのように天音の重荷をおろしていくのか…かなり興味深かった。
私的にはBADもGOODもどれも好き。
特にBADの一姫の手紙に関してはイロイロな意味で心躍るものがあったが、死ぬか時間をかけて罪を浄化させていくかの2点しかないのは必然的にそうなるわなーと。

第三者的に見ても罪の無い彼女が生きてゆく故で 『見えない十字架』 を背負う背景は、今の日本の社会背景やマスゴミによる事実を曲解させる裏の背景があり、本当ゲームとは言え現状の日本を見る限り笑えない『皮肉』があるわけで…。
社会がマスゴミが天音を追い詰め追い詰め、心の傷を広げていく様は見ていて吐き気を覚えるほどだ。

生きて生還することは喜ばしいはずだが真実が捻じ曲げられ、虚構だけが独り歩きするって…、生きていることが『罪』になるってどんな冤罪だよと…w

結局はBAD ENDで一姫に支えられ、主人公助けて罪を浄化させるのも…、GOODは大切な友人の弟、愛する人を支え、支えられ、時間の経過とともに罪を浄化させる2つの結末は何を考えてもこの結末しかないわなーと思わざるをえないんだよねー。
天音の場合は罪自体を消す、忘れる事って絶対にできないほど心に刷り込まれているので。
そう思うと、BADでいう自身が納得の出来る死か、時間経過による罪の浄化しかない。
孫に『ごめんね』ではなく、『ありがとう』と心の底から感謝をいえるような子を育て受け継いでくれた事に気づいてあの事故から、雄二と出会ってから本当の意味で生きていてよかったと心の底から思える事が出来たのではないだろうか…。

結局はどちらも死ぬことでしか心の安らぎ、罪は無くせないと思うわけですよ。

どのヒロインをもってしても天音のトラウマに勝るものはなく、更にあれだけトラウマの過程を事細かく心の機微を描いたとなるとそりゃベストシナリオになるもの必然だろうと。

ただ暴徒化した亡き娘の親が介入するあたりは…下手な手を打ったなーというか強引感は否めないなぁ…。
要はBADに関しては如何に天音の罪を浄化させ死なせるかに尽きる訳だが、坂下のような暴虐無人なキャラを出すよりもっと良い方向に介入できるような
持って行き方があったのではないかなーと思える訳で、何とも呆気ない結末だったので。

まぁそれを差し引いても天音√を書いたライターさんは見事だなーとしか思えない。
それに主人公が助けられるヒロインが一人ということを思うと、天音の行く末に恐怖を覚えるのは俺だけじゃないはず…w

薪菜シナリオ
んーまぁ巷で評判の良い天音とこの薪菜のシナリオですが、まぁ評判が良いのもわかるなーって感じで、面白かった。

いやー薪菜に関しては天真爛漫な可愛らしさと主人公に影響を受けた言動のギャップがとてもとても好きで…誰かが見ていないと心配で堪らないという母性本能を擽る点など萌えるわけで…ぶひぶひ。
馬鹿と天才は紙一重というのも薪菜に用意された言葉なんだろーと。

薪菜のトラウマも天音に次ぐ凄惨なものではあるんだけど、天音以外のヒロイン達のトラウマを描いた背景ってどうしても天音シナリオをプレイすると存外に見えてしまうのが残念すぎる…。

薪菜シナリオに関しては主人公の生き様を不器用ながらも薪菜との生活の中で浸透させ、成長させていく過程が最大のメインであってその結果、ラストであのような形となって実を結ぶ点が良い歪み具合で好きです。
薪菜の家庭環境やトラウマ背景を見ると、どうなるかは先は見えているので、薪菜シナリオに関しては主人公との絡みと結末が上手かったなとの評価認識。

特にBADは歪みながらもしっかりと主人公の意思を受け継いでいる当たりが…、孕んでいる点もGOODと比較しても鬱度合いぱねぇw

私的には父親の存在を欲する薪菜と主人公が疑似の親を演じる過程が仄々としてて、とてもお気に入りなのだ。

恐らく師匠と風見雄二の関係もそうだったんだろうなーと思わせるシナリオ。強いて言うならば師匠と風見雄二の回想も交えてシナリオ展開を広げてくれたならば、かなりの高評価になったと思います。

■他ヒロインのシナリオ

幸シナリオ
他3人のシナリオは流石に上記の天音・薪菜シナリオには見劣るものの、強引さを除けば幸シナリオも割と好き。
天音を除けば、他4人が家族をテーマとしたトラウマ背景があるのだが、幸に関してはより家族を意識としたテーマだけに、ラストに関しては私的には好き。

割とベタな感じは強いがそれまでの伏線が引き方がラストで効果的に演出出来ているので最後は良くも悪くも素敵な終わり方だったと思う。
幸の性格(トラウマで形成された)が問題定義として強く結びついている反面、その性格があまりにも突飛すぎているので、やりようにはもっと上手く解消できるんではないか?と思ったり、彼女の良い子である、結果を出さなければ行けない事自体が無理があるんじゃないかなーって。

そもそも日本語、言葉が曖昧な認識に陥った際の優先度の切り分け方など幸の中ではどのようなプロットを得て結果を出すのかという思考順路が明確に出ていないだけに、美浜学園へ強制送還になった際の出来事も周りの一言二言で制御できたのではないかなーと思ったり、幸はかなりの生真面目ではあるが、世渡りを出来るほど(会話を合わせたり)人間関係の縺れが崩れにくい点からも、トラウマ形成された起因はわかるものの、それを解消するすべが存外だったのが残念の一言。

爆発させるって…ww みちるとは対照的なトラウマ形成。、

榊由美子
まぁ…一言で表すなら劣化薪菜シナリオとしか…w
親父とのやり取りともネタとしか思えん…w 河原での出来事切欠とした恋愛意識の形成もどこか無理強い感もあったりと、全体的に薄っぺらさが目立つ。
由美子の性格が学園にいるヒロインたちと比較しても、もう一つ印象が弱いんだよねー。
トラウマゲーなんだし、その切欠にどれだけ印象を残せるが一つのポイントなんだけど…、個別も薪菜と類似した展開ではあるが…、現実的じゃないので何とも言えない…。
結局は主人公とJBが簡単に物事を解決してあっさり終わったため一体なんだったんだ…としか言いようがない。BADも同様。

みちる
今のみちるを形成した性格とトラウマになった過程が後天性多重人格を通して上手く機能している。
二重三重と会話の質がコロコロと変わるので、認識するのに忙しい。

作中でも幸に次ぐ無茶な荒療治ともいえる解決方法ではありました。共通ではアホ丸出しでダメな子扱いのみちるも、そのギャップ故に抱えるトラウマも深刻であり
心情の機微を上手く表現してくれたヒロイン一人でもありました。
移植手術で人格までおまけでついてきた無茶ぶりはありますが、みちるのトラウマを比較する上での一対象者でしかなく、結果的に人格と共存することで納得していく経緯はどうなのかなーって思ったり。その人格についても言動の電波っぷりが…しかも外国人である理由も…。
そもそも、みちるがトラウマとなった原因と解決方法が結びつくのかどうかってところなんですが。

綺麗さっぱりではありましたが、もう一つすっきりしない終わり方だったのがみちるシナリオ。

とまぁ個別に関しては共通とは違い、テキストやシナリオ構成、選択肢に至るまで各々のライターさんの特徴がよく表れています。
良くも悪くも複数形式で担当するシナリオの良し悪しが出ちゃったかなーって感じです。

細かい点は置いとけば、全体的に質の高いシナリオで、豊富なテキスト量に、読み手に安心感を与える文章でもあったかなと思います。
久々にレベルの高い作品をみたなと感じた次第。

キャラクター(13点)


■ヒロイン
個性的。性格(異常)=トラウマと認識していいw

傷の舐めあいと公言している主人公のように、学園内ではコミュニケーションも円滑であり、皆良い人フラグが立ってます。
やたらと性に対する意識が強く、言動として現れているのは昨今女性学生の世間体の流れなのか?w

毒舌メイド、クーデレ、疑似ツンデレ、ビッチ、やんちゃな妹系(?)とそれぞれ個性を如何なく発揮してます。
幸の毒舌ぶり、生真面目ぶりと、萌えを前面に可愛らしさ全開の薪菜がお気に入りですたい。

■主人公
超人w
軍人上がりで実戦経験豊富な暗殺者。

個性が強く、孤独を好む割には他者とのコミュニケーションが円滑。
基本突込みだが、かなり的確で的を得ているw 常識を知らない軍人だけにボケは天然さを隠しきれないが、基本多分良い人だと思いますw

軍事ネタにすごいシビアで厳しい目線なのが笑えるし、それを真面に受け答えしノリ突込みが出来る幸や薪菜とのやり取りは大好きですw
基本に忠実でトラウマを抱える割にはかなりポジティブで用意周到、観察眼と言いすべてにおいて出来る男な訳です。

上から目線はありますが、嫌味がなく実直な分、清々しさを感じれます。

風見雄二の人格を形成した一姫と師匠との絡みを是非FDで再現してほしい。

 

システム(18点)


■インターフェース
各シーンの選択機能、スキップの速さもボリュームの量を考えると若干遅く感じるが不備はなく、プレイする上での不満点は特になし。

■CG鑑賞
計137枚(表面上)。
ヒロインの中では幸が多く、次いで由美子。
エロシーンだけなら天音が5つとダントツw 他平均3シーン以上はあります。

■その他
シーン回想は共通で54シーン、個別でそれぞれ異なるが、平均25シーンほど。
ムービーシーンは各ヒロインED+OP。
システムボイスで各ヒロインの声が。
後は壁紙+アイコンのダウンロード(twitter要か)

CG & BGM(14点)


■キャラ絵
フミオ氏による作画は美しいというか可愛らしいし綺麗!
可愛い系に弱い私としては、薪菜と幸が良かったかなぁ。

イベントシーンも綺麗ですし、作画崩れも…特に違和感なくといった感じ。

■背景画
いやはや背景画も綺麗綺麗。とにかくCGに関しては満足の出来。
鮮明ですっきりとした青空など美しい。

■BGM
各ヒロインEDごとに用意されている曲・OPを含め6曲といった所。
ボーカル曲を含めて39曲。
BGMや曲自体印象的なものはないが、歌詞によってはそのヒロインの心情をよく表現できているものあったり。
全体的に雰囲気に合う良いBGMかと。

特にOPのセンスは抜群にかっこいい。Front Wing作品のOPムービーってすごくセンスあるよね。
かなり引き込まれたOPなので要注目。飛蘭さんの終末のフラクタルも作品にあった超名曲です。
本当良い。

 

その他(3点)


納得の面白さ!夢中で読んじゃいました。

 

総評 (92点 Aランク)


シナリオの重さ(面白さ)は水準の域はあります。特に鬱度合も高く、鬱ゲーとしては完成度が高い作品。
どっぷりと重い気分に浸りたいならお勧め。

巷ではキャラデザを担当している渡辺氏が参画しているのでフロントウィング側はアニメの方向に持って行きたいらしいみたいなんだが…どうなんだろ。
非常に難しい気がするんだけどなー。恐らく、一姫の生存フラグが非常に高いだけに、FDを視野に入れたアニメ化の方向だとは思うんだよなー。

風見雄二と日下部 麻子(師匠)の関係は当然、日下部 麻子の死、風見雄二が師匠の最後に言われた言葉の本当の意味、殺せない理由、美浜学園編入の意味とは。
当然ながら風見家の環境や一姫との絡み、もし生きていた場合の今後(←一姫ルートは主人公の本当の意味での救済で必ずなければならないと思うwので)。
地下室の天才教授…=一姫といった憶測もありますし…。
とまぁ数えたらキリがないだろう。 これは予測というより必ずFD出すフラグとしか見えないので、そのあたりはもし出ればかなり期待感はあるね。

私的にアニメ化するなら天音√プラス補完で一姫生存√ ⇒ 主人公キ(・∀・)ターフラグ当たりでアニメ化してくれれば、かなり面白くなりそうな気がすんだがなー。

まぁそれはいいとして、趣向は偏るものの面白い作品なので、その手の作風が好きな方は是非ともプレイを。
グリザイアの果実 OP 『終末のフラクタル』 歌: 飛蘭

 

 

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