ギャルゲー・エロゲーを中心とするレビューを綴るブログであります。基本ネタバレありです。
2016年は8作品。久々に熱が出た。今年は…今のところ気になる作品もない。

素晴らしき日々~不連続存在~

2010.07.28 by てるりん♪

41.素晴らしき日々~不連続存在~
シナリオ:すかぢ
原案・企画:すかぢ
原画:すかぢ、基4%、硯、籠目、karory

 

 

<ストーリー>

第1章“Down the Rabbit-Hole” ―― 「空と世界」の物語(主人公:水上由岐)
STORY:A
水上由岐は、空から降ってきたぬいぐるみを拾う。
ぬいぐるみを落とした少女、高島ざくろは言う。
それは〝空に帰る日〟を探す為の行為なのだと。
その日から由岐は、幼なじみの若槻姉妹、高島ざくろと共に
〝空の少女〟と〝世界少女〟とが出会う、その場所を探すことになる――
STORY:B
水上由岐は、会ったばかりの少女、高島ざくろにキスをされる。
彼女は言う――〝これからすごい事が起きますからね〟――。
次の日、学校では、ひとつの噂と共に不穏な空気が流れていた。
〝高島ざくろが自殺したらしい〟
その日から、由岐の日常は少しずつ狂い出す。
〝終の空〟へ向けて、少しずつ――

(by wikipediaより引用)

■テーマ度数

pikautu
pikanaki
pikaodoroki
pikaomosiro
pikaguro
グロ
pikaikari

5 3 3 3 3 3 5

鬱…結果的に大量の人間の死や強○や近○相○やらイジメやら、一部ルートはかなり陰惨。
泣…泣けるかどうかは終息に向けて進む熱血展開でどう捉えるか次第。泣けると言うよりは考えさせられるシナリオ。
驚…伏線の繋ぎは見事。序盤で不可解な言動や奇異な世界観描写から4章以降に語られる真実でスッキリ。
笑…笑えるパロディネタが満載、通な人は…。
グロ…わりかし酷い描写もありあり。血が出てくるので苦手な方は要注意。
燃…皆守君が覚醒して英雄となります。
狂…卓司君が覚醒して救世主となります。序盤の世界観はクトゥルフ神話。

<感想>※ネタバレありあり。
実に難解な作品です。私的にはこういう哲学的な作品は好き…と言うより考えさせられる作品は好み。ただ賛否はあるだろう作品。
ケロQの作品は初めてプレイしたのですけど、処女作品である『終の空』の拡大解釈版として認識していい作品なんでしょうか。

物語の台詞などにも引用されているヴィトゲンシュタインの『論理哲学論考』が基調となっている作品であり、シナリオ中にも様々な哲学要素や戯曲、文学を引用した台詞などが出てきます。

語りえないことについては人は沈黙せねばならない』。
論考が基調になっているだけに、作品のテーマも霧中かなと、答えなんて『見えない』論題だけに、どんな位置づけでもいいんだろうけど、結果的にプレイヤー の受け捉え方によるので…答えすらない蟠りが解けない有耶無耶とした終わり方はある意味仕方ないのだろう、考え方によっては答えから逃げた!とも捉えれる し。

独我論(認識論や形而上学)についても独自に答えを出しているが、プレイヤーがどう受け止めるか。

まっそこらを隅々まで考えられる考察ゲーって事で…人生はなんぞや?などとよく考える方は相性が良い作品かも。

論題が難解なテーマであっても、基盤はミステリー風味の作品であり、終末論やら解離性同一性障害を中心に取り組んだ独自の世界観を構築している。
狂気や末期的な負の世界観が漂うシナリオではあるが、演出も良く出来ており、特に伏線の回収の仕方が見事でプレイする価値はある作品だと思う。

好みが分かれそうな作品なので一概にはお勧め出来る作品ではないだろうが、私的にはかなりツボに嵌った作品。

ただ難解な哲学的なテーマを如何に一般向けに分かりやすく伝えるか、ライターさんの力量を問う難しいテーマだけにもう少し解りやすいテキストにしてほしかったと言う点も。

 

シナリオ(44点)


 

序章からの掴みは悪くはないんだよなぁ。構築されていく世界観が奇妙で気持ち悪くて、まさに精神世界そのもの。

これは2章の卓司視点にも繋がっていくのだが、クトゥルフ神話をモチーフにした狂気を描いた日常があり、日常から狂気への世界と変わる演出は巧み。
ノストラダムスやら2012年世界破滅論など、昨今賑わした予言などを巧みに使っては、彼等の日常の徐々に変化させていく様は見ていて面白い。
序盤はクトゥルフ神話ではないですが、引き込まれるようなテキスト作画だったと思います。

キャラクターが極端に電波なのがある意味損をしており、麻薬やら極端なイジメ、強○など日常が既に非日常化しているだけあって、終末論以上に、日常が既に破壊されているのはどうかと。
薬でおかしくなるとのと狂気は全く別の意味合いだと思うんだが…。

閉塞された集団形成された心理状況ってまさしく言葉一つで各々の理性や感性がぶっ飛ぶ程の効果を示すだけあるので、薬は一切排除した方向性で導いてもらいたかったってのはあるかも。
より言葉に重みが出るよう、この作品がそうであるように。

3章以降でほぼ主人公や周りの状況に関しては先が読めてくるとは思うが、前半とは打って変わって一本道。

基調がミステリーから一気に熱血路線へと路線変更してしまった為に、緊張や恐怖と言ったものが排除された形になっている、その割には寄り道ばかりで行き着く先が長い。
冗長化された部分は否めないが、それぞれの視点で描く事に意味があるので割かし気にしなくてもいいだろう。

ただその分、敷かれたレールの上を歩いて行くだけなので、ある意味王道的なシナリオへと変貌していく後半。
主人公が爆走する先にカタルシスが存在するので、一応は報われる結末。

後味の悪さは酷いが、前半で用意された伏線を消化する演出の様は見事である。

当然不完全な点はあるのだが…『語りえないことについては人は沈黙せねばならない』。何度も出すが、この作品は同じような事を繰り返し繰り返し問い続けるのである。

結局は答えの無い論題に対して自問自答するだけ無駄だと言う事…。独我論に言う自身は自己の意識の中しかあらず、他者や外界の事象は自己にはあらず。言葉の限界が思考の限界。
その限界の中で人は模索しながら生きていき、自身の限界を知る。人生を語る意味はない、生きると言う事はそれだけ素晴らしいと言う事…。

『幸福に生きよ!』このシンプルな言葉こそ全てなんだと。

端役の木村あたりが語っている所を見ると衒学的な作品ともいえるんだろうが、ぶっちゃけ難しい所を除けば、純粋に王道な物語なんですけどね。

初心者にはお勧め出来ない気難しさがあり、作品自体もかなり特異なモノとなっているので、興味がある方は是非プレイしてもらいたいです。

 

キャラクター(12点)


■ヒロイン
基本電波系なのかなぁ。ツンデレや百合、ヤオイとか…かなり幅広いキャラクターが出てくるのよねぇ。

学園が舞台ではあるが、ドラッグや強姦やイジメ、暴力と言った陰湿な描写が極めて多く出てくる。
いかにも携帯小説的なノリではあるのだが、あくまでもシナリオの土台に過ぎないとはいえ、鬱な気分になる…特にざくろの心中を思えば…。

基本ヒロインにはあまり良い印象は受けないが、水上由岐と橘希実香が私的に好きなキャラクター。
特に希実香が持つ考え方は一つの結果を出しているので、他EDを見てもある意味異質とは言え、素敵だった。
北都南さんの声も好きなので、シナリオには深く関わらないが由岐と同様に強く印象に残ったキャラ。

しかし、百合はどうしても駄目だわぁ…w と言うか同性ってのがどうしても嫌悪感しか沸かないなぁ…w 割合的に多かったので。

■主人公
まぁ皆守君になるのでしょうが、出番が遅い…。
典型的な正義感の強い熱血キャラなので特に可もなく不可もなく…後半以降の勢いお決まりと言った感じ。素敵な主人公って事で。

由岐のキャラクター性も良かったなぁ。あの乙3みたいなパロディネタは解る人は結構そそるようなネタもあったので…w

卓司にも正直言えば、救いの展開が一つでも欲しかった。だからてっきりウサギさんお人形は卓司の救いになるのかなぁと思っただけに、陰湿でキモオタwで終わったのが悲しかった…w

 

システム(17点)


■インターフェース
特に。1~6章毎に分けられているので、解りやすい。難解な作品でもあるので適しているとは思う。
スキップはかなり早い、エフェクト事に若干止まる点はあるが、速度は速い。

隠し選択肢等もあるので、ぶっちゃけ攻略サイト見てプレイした方がよろしいと思われ。

■CG鑑賞
全160枚。

回想シーンは全24シーン。
百合やらフタナリやらヤオイやら…やたらと奇異なシーンが目立つ…汗
 

CG & BGM(13点)


■キャラ絵
最初は違和感あったが綺麗で高水準をキープ。
兎に角可愛いね!希実香と由岐が私的BEST。

■背景画
作品にあった感じが良い。
終の空の背景画や夜の向日葵、向日葵の坂道、どれも雰囲気あって美しい。
独特の表現が世界観と良く合っている。

■BGM
全:39曲 歌付き計8曲。
いいですねぇ…。『空気力学少女と少年の詩』がBESTか。
BGMも心地よい雰囲気の物から世界観とあったダークな感じなど、盛り上げてくれます。
 

 

 

総評 (86点 Aランク)


10年の時をえてヴィトゲンシュタインの論考を作品として再度根幹テーマに置いた事に対しては兎に角すごいとしか…。シナリオライターのすかじさんの魂の作品と言える作品だろう。
すかじさんのtwitterを見ていてもそういう系の本や知識を披露している呟きがよく見受けられるので、このような作品スタイルなんでしょうかね。

エロゲーとしては特異なテーマ、作品だけにこう言った作品も全然あり!って感じです。知的な作品で理解し辛い作品でもありますが、それ以前にシナリオとしての演出や構成もかなり完成度の高い作品なので、是非プレイしてもらいたい作品。

好みははっきり分かれると思う作品ですが、私的には楽しめた作品。

素晴らしき日々~不連続存在~OP (youtube) OP主題歌 『空気力学少女と少年の詩』 歌:はな

 

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Posted in ケロQ, メーカー別

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