ギャルゲー・エロゲーを中心とするレビューを綴るブログであります。基本ネタバレありです。
2016年は8作品。久々に熱が出た。今年は…今のところ気になる作品もない。

沙耶の唄

2010.06.03 by てるりん♪

 

38. 沙耶の唄
製作総指揮 – でじたろう
キャラクターデザイン・原画 – 中央東口
シナリオ・スクリプト – 虚淵玄
2Dグラフィック – にじこ、りんごキック、よう太、オガミけいち
デザインワーク – yoshiyuki
3Dグラフィック – 麻生さん
プログラム – 小山光
製作進行 – まさかり

 

 

<ストーリー>

医大生の匂坂郁紀は、交通事故に遭い生死の境をさまようが、奇跡的に助かる。しかし、大学に復帰した匂坂は、故意に嫌われる様な言動をとり、自分の 周囲から人を遠ざけようとする。友人達は彼を心配するが、匂坂には彼らから差し伸べられる救いの手にすがれない訳があった。

匂坂は交通事故の後遺症で知覚障害を起こしており、すべてのものが異常な姿で見えるようになっていたのだ。街の建物は豚の臓物をぶちまけて塗りた くった様に、人間はおぞましい肉塊に見え、話す言葉は呻き声や金切り声に聞こえ、触れた感触ですら尋常ではなくなっていた。自分以外の全てが異常で狂いそ うになる世界の中で、孤独な入院生活を過ごしていたある日、匂坂の前に沙耶という謎の少女が現れる。沙耶だけはなぜか普通の人間に見え、肉塊のような姿に しか見えない友人たちと違い、触れたときに温かみを感じることもできた。やがて匂坂は沙耶に惹かれ、彼女を自分の家へ招いて、一緒に暮らし始める。

しかし、それは真に訪れる狂気の世界への扉にしか過ぎなかった。 (by wikipediaより引用)

 

■テーマ度数

pikautu
pikaguro
グロ
3 5 5

鬱…冒頭から鬱になるような主人公の精神世界が描かれています。エンディングも見方によるが全てBAD(3つ)
グロ…冒頭からグロテスクです。カニバリズムや殺人など描写はきつい方です。プレイ前にフィルター設定あるので^^
狂…世界観まさに狂気。クトゥルフ神話が土台になっている感じです。主人公の精神世界がすごい…。

 

<感想>
Nitro+の沙耶の唄をプレイ。作品自体ホラーやオカルトのような作風でクトゥルフ神話をモチーフにしているらしいです。

作品の色調が主人公視点(精神病)の精神世界で描かれているのでややダークな感じです。雰囲気は非常にあります。

 

シナリオ(37点)


全体的に『』を追求したような作品で、破滅的な世界観の中に一輪の花が咲くように、破壊された主人公の精神世界に佇む『沙耶』の美しさが際立っています。この作品は『純愛』をテーマに描かれており、狂った世界の中にも、いやどんな世界でも愛は美しくあるモノだと。

3つのエンディングが用意されているが全てカタストロフィへと繋がる結末で、どれも救いようが無い終わり方だ。救いの無い結末でも沙耶と主人公の純愛)が含まれているおり…一概には後味の悪さだけが残る訳ではない。

寧ろ純愛と書いたが、より偏愛として捉えた方が正しいかもしれない。主人公の視点・沙耶の視点から見れば、自身の精神世界には存在しなかった『存在』であり、唯一無二な訳だ。特に主人公の破壊された精神世界では、周りは汚物に変化した建造物に肉塊としか映らない人間達、そんな歪な世界で一人まともな姿をした沙耶を見れば誰だって愛情が沸くだろ…(寧ろ恐怖から安堵の対象)。

精神世界と言う極端に狭められた世界故に、視点がぶれずに一貫した愛情が描ける事は間違いないだろうが、それは純愛と言うよりは必然的な偏愛としか見受けられない。
特に主人公に関してイレギュラーな事故にあった事もあるが、事故以前に良き付き合いがあっても、どこか冷めた感じがある為に、沙耶に対する愛情に真摯的な想いが伝わりにくい。
まぁある意味究極とも言える。狂気に満ちる愛と言うか、カニバリズムも受け入れる所が精神的にくるってるからねぇ…。

破滅した世界だからこそ主人公は沙耶に必然的に愛情が芽生える訳で、主人公視点で見れば明らかに意図的な築き上げ方だ。
更に精神病と言う具体的な原因があるだけに、どんな捉え方や、どんな風にも裏付ける事が出来てしまうので根底にある『純愛』のテーマが希薄になってしまう。
更に元に戻すタイミングが悪すぎる…w(選択肢) 明らかなタイミングだし、そこで主人公が沙耶に対して永遠の愛を誓っても残念ながら違和感がありすぎだって…。

な、の、で主人公視点より、沙耶視点で作品を捉えた方が作品には意味合いが強くなるだろう。

沙耶は知識が遥かに人より優れてはいるが、如何せんヒトではないモノだから、『人間』に対して興味を抱く訳で、そこから培った『人間』の感情、知識はいとも簡単に吸収はしてしまうが、人のココロはどうしても捉える事が出来ない。

沙耶が主人公に対して抱く思いや、認められず孤独として生きて来た事、自分の存在を認めてもらいたいと思う心が切実であり、唯一自身の存在を認めてくれた主人公に対して愛情を募らせていく想いが美しい。沙耶の行動一つ一つが実に的確で、考え方も歪であり、面白い…w

どちらのエンディングに進むにせよ、沙耶が主人公を想う気持ちは誠実な気持ちであり、これこそ純愛と呼べるものではないだろうかと。
ただ人類全てを同類化させてしまうエンディングは知的外生命体の本能ともいえ、主人公に対しての偏愛にしか捉えられないが…。

沙耶が死ぬパターンは、どうなっても主人公の側で添い遂げる想いが切なさ満点であった…。

と言うか…、偏愛も純愛も見方によっては同じようなものかな…。私は偏愛と純愛はまた別物みたいな論点で主旨を纏めているのだが…w
邪心が無ければ純愛と言うけど…、性行為自体も人間の情報を収集する為の行為だもんなぁ…。
沙耶の行動原理自体が純愛と結びついている感じが作品の上手さかなーと思ったり。ラストの眼鏡お姉さんの手記を見れば、生命の根源は子孫を残す事であり、そこから愛は生まれてくる訳であり…。と、まぁ

例え人外だろうが心は万国共通…w 破壊された世界に美しさが際立つ沙耶の心が素晴らしい。

『その砂漠に――たった一人だけでも――花を愛してくれる人がいるって知ったとき。タンポポの花は綺麗だね、って、種に話しかけてくれたとき。』

キャラクター(12点)


■ヒロイン
知的外生命体です…。沙耶がとても可愛らしい。
しかし、何故少女の姿にさせたのでしょうかね?生まれた年数と人間の生育状況を調べた上での自己変形だったのでしょうか。主人公が少女に見えたのは…とそこは…ね。

■主人公
世界観そのものが主人公を体現しています。
狂気へと変わる過程…ではなく既に狂気の世界に囚われている苦悩感が滲み出ています。
沙耶との出会いは一筋の光だったのでしょう。

システム(14点)


■インターフェース
シンプルでいいんじゃないでしょうか。ホイール機能で元ページに戻らない点は多少気になる部分でもある(returnを押さないとダメ)。
作品自体3~5時間程あればコンプリート出来る短編小説のようなもので、特に気にせずサクサク読めると思います。

■CG鑑賞
全85枚。沙耶が可愛らしい。
 

CG & BGM(13点)


■ キャラ絵
原画は中央東口さん。Nitro+ではお馴染み。あやかしびとなどの原画の方。
なんかMarvelみたいなアメコミっぽい感じの絵柄ですよね。線が細いですが、しっかりとした感じで全体的に綺麗な原画だなーと。
女性像より男性像の原画の方がなんとなくしっくり来る感じなんだよなぁ。でも沙耶は良かったなぁ。

■背景画
全体的に色調が病んでるような暗さがあります。作品の世界観故だと思いますが、雰囲気があります。
主人公視点で見る世界観の狂気が存分に伝わります。ありゃーグロテスクだわーと言うよりか、あの音声が堪らなく気持ち悪い。
絵は問題はないが、生理的に受け付けないあの音声が嫌><;

■BGM
全15曲。歌唱付きは…エンディングの2曲。
沙耶の唄』と『ガラスの靴

どれもどっしりと構えた良い感じのバラードだ、物悲しい沙耶の気持ちが綴られている。
全体的に世界観らしいノイズがかかったBGMが特徴的。

 

総評(76点 Bランク)


作品自体非常に短く、3,4時間あれば簡単に全てをコンプリートする事が出来る。過程は同じで、結末が違うエンディングが用意されているだけだ。(3つ)

どれも印象的ではあるが、物足りなさはある。
逆言えば非常にシンプルで解りやすい。シナリオも一貫しているので、ぶれる事無くテーマが伝わってくる。

短い作品ながら良く出来た作品だと思う。グロテスクでホラーやオカルト的な内容なので好みは分かれると思うが、お薦め出来る作品です。

沙耶の唄 (youtube) ED歌『沙耶の唄』 歌手:いとうかなこ

 

□関連作品
装甲悪鬼村正
STEINS;GATE(PSP)

 

■関連商品

沙耶の唄 Nitro The Best! Vol.2

沙耶の唄 Nitro The Best! Vol.2

定価:¥ 3,024

カテゴリ:CD-ROM

発売日:2009-07-31


アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。
一度ページを再読み込みしてみてください。

Posted in Nitro+

Trackback URL

承認制です。トラックバック歓迎です。スパム系は許可しませんのご了承

コメント

本文入力

SEO Powered by Platinum SEO from Techblissonline