ギャルゲー・エロゲーを中心とするレビューを綴るブログであります。基本ネタバレありです。
2016年は8作品。久々に熱が出た。今年は…今のところ気になる作品もない。

君が望む永遠 Latest Edition

2009.10.12 by てるりん♪

18.君が望む永遠 Latest Edition
原作:まふまふ仔犬ちゃん・セントポール
原画・キャラクターデザイン:バカ王子ペルシャ
シナリオ:鬼畜人タムー、マロ☆ガッツ、反重力生命マー nainai
音楽:渡来亜人
プログラム:スピンドリル

 

 

 

<ストーリー>
主人公・鳴海孝之は、白陵大付属柊学園3年生。
卒業が間近に迫っても進路を決めることができず、
漠然とした焦りを感じながらも日々を流されるままに生きていた。

(by 公式サイトより参照)

 

<感想>※基本ネタばれありです
鬱ゲーの代名詞と呼ばれるこの作品!鬱的なシナリオに本気でのめり込むと精神的ダメージ必至!
ただシナリオは本当に良かったよぉ…。どこにでもあるような三角関係を昼ドラ風に描いたシナリオなんだけど、かなり泣けるゲームです。本当いろんな意味で後味が残るゲーム間違いありません。かなりの名作。

■テーマ度

pikautu
pikanaki
5 5

鬱…展開が絶望的です…。すごいドロドロとした恋愛物語なので全編プレイするとブルーになります。
泣…かなり泣けます…。特に遥の行動には感動…。ENDINGが本当に素晴らしい終わり方。
 

シナリオ(47点)


ボリュームが半端じゃないよ…正規のシナリオ+ファンディスクのIFルート+第3章の(アフターストリー)と言う凄まじいボリュームさ。
攻略するだけでも半端ない時間がかかること必至。

で、シナリオに関して言えば、当然流れでメインヒロインに当たる水月と遙ルートに関しては文句無しに最高です。特に水月シナリオに関しては痛みを伴うそれぞれの結末を迎え、本当に感動的でした。

共通ルート(序章)
まさに青春だーい♪遙と主人公の青臭さ具合が画面を通してジンワリきますねー。そこからまさか地獄への階段へとつながるとは思いもしませんでしたよ…。

2章以降は各ヒロイン事の分岐シナリオです。ENDINGだけでも結構な数あるので、評価できるシナリオのみを。

水月シナリオはもう完全にはまりました…。遙ぁぁぁぁぁ(涙)本当なんて…健気で良い奴なんだ…。自ら実らせた3年前の淡い出来事を目覚めて1週間で夏の思い出に変えてしまうなんて…。主人公のように周りを考えずに、自らを傷つけるのではなく(それが皆を傷つけている)、あえて皆の為に一歩引く勇気…いや自ら一歩引く事で周りの潤滑剤の役目を引き受けるなんて…。もぅこのゲームやってて一番感動したシーンです。何よりも、一番の不運に合いながら前を向き一歩一歩進むその想いと意思の強さには脱帽です。残念ながら水月さん喰われましたよ…。
水月もやっとの思いで実った主人公との愛を今後手放す事無く育む事を思えば嬉しい事なんでしょうけどね。

このシナリオの格別度は、遙が一歩引く強さを見せただけでなく、真のENDINGと言う意味で、プロローグにもう一つの想いが隠されていると言う点。絵本作家となった『村上』遙の書いた『ほんとうのたからもの』。ENDINGを見る限り、姓が変わっていることから遥自身、主人公への想いを断ち切り、幸せな生活を築いている事がわかる。そして物語の鍵となるマヤウルのおくりものが影響した絵本なのだが、その物語を見る限り、遙も絵本書いて出す事で、自分の辛い思い出も今では、一つの宝物になったんだよと、想いを伝えていることだ。人は誰しも、傷つけずに生きる事なんてできない。人は傷つけあってこそ、互いの想いに気づく事が出来る。これはある意味、若さの特権と言えるものなのかなぁ(苦笑)

その想いを遙が絵本を通じて伝えるラストが更に…グッと来たわ…。時間って時に残酷であり、時に優しく包んでくれる事もある…。辛い思い出すら良い思い出として描かれている点は人の強さや時間の尊さ、残酷さを描いた非常に感動的なシナリオ。決して綺麗なENDではない。しかし、傷をつけられても前を向いて歩こうとする人の強さ(成長)を見ることが出来たシナリオでした。かなり心に強く刻み込まれました。

で、次点が遙シナリオ
ある意味、ゲーム内で一番損をして得をしたヒロインが遙。3年と言う月日は勿論なのだが、彼女を取り巻く環境、変化に戸惑いを感じつつも、最後はきっちり美味しい所を持って行く点とかね…。

正直2章の遙ルートに関しては、同情論や感情論に流れがちと言うのが筋。遙ルートに関しては本来の流れなら当然ではあるが、ある意味理想論に近い結末となっている気がします。本来、主人公が一途に遙を待たなければならない身でもあるので、現実から見るとそうそう簡単にはいかないもんでしょ、先が見えないモノを待つ気分って怖すぎるもん。更に拍車をかけるように主人公の優柔不断ぶりが、本当皆を傷つけている事さえ気付いていない言う点が余りにも痛々しくて…。3年と言う長い月日は残酷デスよ。

主人公とは対照的に前を向いて生きようとする遙の姿には共感かつ、感慨深い想いになる。リハビリや夜の病室のシーンなどはお決まりな展開でベタ~な入り方をしていますが、何よりも1章での恋愛や事故の事が相俟って、憎めないキャラクターに仕上がっているんですよねー。彼女は何も罪はなくて、健気に想いを馳せているだけの女性な訳で…。そこら辺、鉄壁な防御で囲まれているので、何としてでも感情移入させようと持ってくる点は…。どうせなら遙がもっと嫌~な役回りをするなら果てしない泥試合化したのでしょうが、遙のキャラクターが最高に良い人すぎ…!

水月に関しては…主人公に振り回されるだけ振り回されて(涙)ただ水月ENDに比べるとどうにも、シコリが残っている感覚が強い…。水月と主人公に対しての描写ももう一つインパクトがない。全体的にそうだが、どうしても遙との出来事が1章で強く刻まれている分、水月に関しては損な役回りをさせられているなと言う感が強い…。

エンディングを見る限りでは、過去の絆を取り戻した事が分かる。奇麗すっきりと言う意味では、一番良い形で迎えるエンディングだと思われます。(ENDINGを見る限りでは)

茜シナリオに関しては…あまり突っ込みたくないなぁ…。
茜の存在に関しても立場的には最もつらい立ち位置。正直言うと茜というキャラクター自体、1章と2章での性格が大きく変化しているので立場的な事情から非常に曖昧なものとなっている。1章では所謂、妹系キャラで活発で人懐っこい猫のように接し、性格的にも遥と水月の良い部分を取った造詣で、2章以降は目の前の現実を直視できる、強い人間となっているので、ある意味、勿体無いといえば勿体無い。

本来なら主人公とは結ばれるべきではないと思われるだけに、尚一層に辛い立場な訳で…。と言うかこの状況を混沌化させる意味でも、自分を抑えなければいけないキツイ立場。水月や遥より精神的に言えば最も辛い訳。と言っても、茜自身上記でも書いている通り、二人以上に強い心の持ち主が仇となり、気持ちの高ぶりや葛藤するシーンが強く描かれていない。二人のヒロインの描写がメインの為か、どうにも不足感がある。

茜シナリオに関しては、茜が遥や水月、主人公に対して揺さぶりをかけるように、想いを告白してしまう為に、更にカオス的状況に(笑)ある意味、普通に想いを寄せている女性なら、当然の流れなのだろうけど、茜自身の描写が先程書いたように、後半以降隠し通せるほど強い心を持った人間と言うのが仇となっている。

あの展開は~…などと考えると、正直言えばアナザーストーリー的な展開に加えるべきだったかもと思えてならない。ここでも主人公の曖昧さが余計に茜の迷いに重さを持たせてしまっているので…。結局は全て主人公の行動一つ一つで各ヒロイン達が路頭に迷ってしまうと言う展開が繰り広げられるわけ…。正直茜ENDに関しては、あまり感情移入できなったのが正直な所です。

むしろ、茜○○ENDや遙○○ENDの方が強烈すぎます。既に混沌化された状況に更に重みを持たせた終わり方。もしも目が覚めたら…、もしもアノ子が真実を知ったなら…などと考えると強烈なインパクトを残した終わり方だなと思う所存であります!!

その他シナリオで光っていたのが
天川さんシナリオ
3人のヒロイン以外のルートに関しては正直言えば、主人公の出す答えが『逃げ』と捉えることが出来るルート。どれも出来としては上記2人(茜は私的に無理なので)以外に劣るのはある意味仕方ないとはいえ…。

ここでは、純粋に天川に対して想いを募らせていく過程が如実に描かれている。切欠はあまりにも突発過ぎて現実からかけ離れているが、天川の天真爛漫さに引かれていく姿が主人公を通してしっかりと過程として描かれている。更に悲しい結末を迎えるのが、主人公が自身に何をしていけば良いのか、一体何の為の生きていけばいいのか?など、自身の人生に対して真っ向に向き合い、夢を持ち、一人の人間として存分に成長した姿が描かれている点。過去の過ちを繰り返さないよう前向きになる点は良い。ただ水月や遥に対する思いの薄さが露呈される形となりますが…。これは各ルートを通しても、描かれていない描写だけにある意味主人公にとって印象が変わる救いのルートとも取れるわけなのです。
素直に純粋さを評価すれば、良いシナリオだと思います。

 

キャラクター(11点)


鳴海孝之この男に尽きるだろう…。エロゲ史上に残るヘタレ主人公して名高い男である!主人公の優柔不断・意思決定の弱さはこのゲームの方向性・評価を大きく左右している。人の痛みには敏感ではあるが、自分に対しての痛みからは常に安全な方向へ逃避する弱さが際立つ。

私的には主人公の境遇は痛いほど感じましたよ。えぇ誰であろうとあれだけの悲惨な境遇に合えば、少なからずとも生きる気力や活力が失われも仕方ありません。
しかし…、その心の傷をどのように自身の痛みを乗り越えるか?辛い選択を迫られたときどのような意思決定をするのか?当然主人公の成長を期待していたが…。主人公の心情は細かく描写されているが、成長が全く見られない。感情に流されやすく、肝心なときに決断できない意思の弱さが昔のまま変わっていない・・・。その点が非常に残念。

主人公の位置づけはあくまでも自身と重ね合わせるのではなく、主人公を通して各ヒロインの心情変化をリアルに捉える為だけの位置づけに過ぎない。ただ主人公自身も鈍感なためにテキストで想像するしか出来ない点もキャラクターの弱さが物語っているけどね…。

しかし、重大な問題を簡単に切り分け出来る程、甘くはない。客観的に見ると、決して悪い部分だけが目立つわけではない。もし、○○○だったら…って考えるとキリはないだろうが、本当に主人公がヒロインに対する想いを切実に考えている事は痛切に伝わってくる。たらればですが、あくまでもゲームとは言えども、リアルに描写した主人公の感情の左右される様は最も人間らしい部分を移した人間像ではないでしょうか。

メインヒロインの3人も性格と精神的な強さが対照的なんですよねー。案外普通にありそうなキャラクター性格なのだが、君望ではこの三人の性格がシナリオ大きく影響しており、良い意味で非常にシナリオに厚みと重みを利かせているのだ。

2章で出てくる他のヒロインに関しても、主人公が三角関係の修羅場から逃げる一つの手段としての恋愛模様が描かれている。

これだけ濃厚に描かれた恋愛ゲームは早々ないと思える。『リアル』に痛さを伴う心の重みは深くプレイヤーの胸に刻まれる事だろう。

 

システム(19点)


■インターフェース
すんげぇ…テキストが背景に溶け込んだような感じで、画面かなりでかくなり、更には細かい電車の動きやキャラクターの細かい表情(口パクなど)徹底的に作られております…。その割には過剰なエフェクト表現って訳でもなく、さり気ないシーンに細かい気配りが出来ているような感じです。
テキストも案外見やすい。

■CG鑑賞&回想シーン
計220枚。ヒロインがやたら多いので、メインである遥と水月は若干多め。
回想シーンはやたら多いw 特に水月犬ENDなど、水月絡みの回想シーンがえらい多いw

■LEならではの特典
本来ばら売りだったアフターシナリオをすべて纏めた特典付き。
君が望む第1章、アフターの第3章…、メインヒロイン+αのヒロインのみですが、致せり尽くせりの内容。
買うならこれをお勧め。

 

CGBGM(12点)


■キャラ絵
比較的に奇麗でやんす…。線が細いと言うより、全体的に濃い感じで…。キャラクターにより特徴のある絵柄だなーって感じる。
やはり水月はポニーテールで、遙はショートヘアー決定って事で…汗。ageの絵師さんは比較的線が濃い絵を描きますよね。
なのでドアップはより際立っている感じがします。茜のドアップはちょい苦手だ…。

■背景画
溶け込んでいて綺麗。違和感なく見れます。学園の景色や細かい箇所も手が行き届いており、ぬかり無しと言った感じ。

■BGM
全32曲。うち歌唱付きは4曲。

君が望む永遠は名曲ですな~…。
どれもこれも良い音楽で綴られています。Runmbling Heartsに導入タイミングなどかなり良い感じです。
想い出に変わるまでなどバラードからアップテンポ調の2曲とどれもいいかな。ageは栗林みな実が看板なんでしょうかね。

 

その他(3点)


この鬱具合に拍手です…。余りにもリアリティ過ぎるシナリオと恐怖感についつい夢中になりました…。長時間やると流石に気が滅入ってきそう…。特化したシナリオ、素晴らしいシステムと言い久々の大ヒット作です!

 

総評(92点 Aランク)


様々な視点から(主人公)描かれて結末に、この作品に対しての重さやテーマ性が非常に強く伝わりました。一言言えばかなりの名作だと私的には感じています。リアリティ重視にシナリオが作られている為に、ゲーム性やエンタメ性が失われている反面シナリオが見事としか…。

人の弱さなど人の暗部が細かく描写されており、非常重い雰囲気にはなる点など好みを選びそうですが、私的には一度是非やってみるべき作品ではないかなと感じた次第ですねー。

※『時間は時に優しくて残酷
名言ですねー。誰もが辛い経験を味わった事があるなら、それなりに感じる部分はあるかもしれませんね。

 

君が望む永遠 Latest Edition OP(youtube) OP主題歌『Rumbling hearts』 歌:栗林みな実

 

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カテゴリ:DVD-ROM

発売日:2008-03-28


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ランティス( 2001-08-29 )

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