ギャルゲー・エロゲーを中心とするレビューを綴るブログであります。基本ネタバレありです。
2016年は8作品。久々に熱が出た。今年は…今のところ気になる作品もない。

キラ☆キラ

2010.02.17 by てるりん♪

30.キラ☆キラ

  • プロデューサー – 竹内”bamboo”博
  • 原画・キャラクターデザイン – 片倉真二
  • 音楽 – milktub / 第二文芸部
  • シナリオ – 瀬戸口廉也
  • ムービー – Iris Motion Graphics
  • ディレクション – 楢崎陽


 

<ストーリー>

ミッション系の学校「欧 美学園」の「第二文芸部」に所属する主人公たち4人は、今年度限りでの廃部が決まってしまった部を最後に目立たせようと、パンクバンド(ガールズバンド)『第二文芸部バンド』を結成する。文化祭でのライブは無事に成功し、4人は満足していた。

ところが、その後に参加したライブイベントがインターネット配信されており、それを見た名古屋のライブハウスから出演依頼が来てしまう。受験などを控え文化祭終了後には解散する予定でいた第二文芸部バンドで あったが、4人はボロボロのワゴンに乗り込み、各地を巡る長い旅に出発していく……。(by wikipediaより引用)

 

■テーマ

pikautu
pikanaki
pikaomosiro
pikaikari
4 3 3 4

鬱…特に椎野きらりシナリオの展開には衝撃を受けました…!久々に鬱に浸ったシナリオ。
泣…熱い意味で泣け、個人シナリオも良く出来ており、泣ける…ような展開ではある。
笑…良い意味で主人公とヒロイン達のバランスが良く出来ている。村上が良い味を出してくれる馬鹿。
燃…青春!=音楽。私はそういう青春時代を過ごしたので懐かしく燃えましたw

 

<感想>
んで、キラ☆キラをプレイ!いやはや過去に埋もれた熱い青春時代を彷彿させるような展開に心が躍らされる感じでした…。
文化祭での演奏、そして楽器を片手に全国を巡り巡り、そしてラストでまさかそう持って来るとは…と2度美味しいような、何か違うぞ!?と思うようなシナリオ展開が熱くて心にぐっときた作品でした。

特に椎野きらりEND1はランブリングハーツが流れる様な展開で衝撃を受けちゃったよ…。

 


シナリオ(46点)


第1章の青春を謳歌している様子がいかにも心地よく、皆と馬鹿やって、汗をかいて夢中になって、笑いあって、泣いて、そして迎える文化祭、青春ドラマとしては音楽が題材だけにベタな展開ではあるんだけど、冒頭のスタジェネの音楽シーンの切り口から熱いモノを期待しただけに、1章の展開は素直に良かったー。あくまでも解散する第2文芸部の為に、という名目がある為、皆一丸となる様は、誰もが共感を抱く展開でしょうね。

第2章はあくまでも1章の延長線上であり、夏休みの思い出作り的な展開。音楽やバンドを通して様々な経験をして、人間関係を築き上げ自身の成長を促す展開でもある。

私的には第1章を全力で描き切る展開だと思っただけに、案外1章、2章ともに終わり方が呆気なかっただけにもう一つ盛り上がりに欠ける部分でもあった。1章で(または2章)青春して、悩んで、恋愛して、文化祭で大団円!というイメージを持った人がいたのではないかなーと思ったり。勢い的にはそんな感じだったので、肩すかしを喰らった方がいるのでは?

しかし、本当に描きたかった事はやっぱり第3章(個々のヒロイン)にあったわけで。
1,2章でふと描かれた彼女たち、主人公の心の闇、成長が個々のヒロインのシナリオで上手く活きてくるのです。

理解しあう事で本当に幸せになれるのかな?どのヒロインのシナリオにも共通のテーマとして問いかけています。
石動千恵
千恵姉ルートは家族が軸となったテーマ。家族=絶対的な絆と思っていた千恵に対して、愛と勇気の『ロックンロール』で全てを纏めたシナリオ!

家族は血がつながる肉親であり、裏切らない存在と思っていた千恵姉。
絶対的な絆を失う事で千恵姉に対して漠然とする不安を植えつけられる事になります。その描写は『勇気』を通して1,2章でも千恵姉の性格として描かれています。千恵姉は普段が優等生なのに、ある大きな局面に出くわすと迷いが生じて思うように選択できなくなる弱さがあります。それは半田との出会いの中でも語られており例え結果の良し悪しを考えても、変化の無い日常はつまらないと諭され涙を流すシーンがあります。千恵姉自身もその点を理解しているが故に、深く物事を考えてしまい億劫になってしまうわけです。

理解しあう事で本当に幸せになれるのかな?理解し合っていても家族は離ればなれになった、いつか主人公とも…。
でも勇気を出すことで、翠の暴走を止める事も出来た。子供の頃から想いを寄せていた主人公とも付き合う事が出来た。そして時間をかけ、父親の再婚相手と会う事で父親の考えも少しずつ理解ができた。

そんな千恵姉に勇気を与えようとするシナリオです。人は誰でも先の見えない将来に対して不安があるもの。先の事を考えずに一瞬一瞬を大切にして勇気を出すで前向きに楽しもう!と問いかけたシナリオじゃないかなーと思います。

樫原紗理奈
唯一主人公と境遇が似ているのが紗理奈。それはきらりにも台詞で言われています。千恵シナリオ同様に紗理奈シナリオも家族の絆が主体となったテーマで描かれています。それと同時に主人公と紗理奈の心境の変化を巧みに描いたシナリオでもあります。

二人とも共に子供の頃からわがままを言わない手のかからない子供として少年時代を過ごしています。他人(自分を大切に思ってくれる人達)を思うが故に自己犠牲すら厭わない点が二人の性格に根付いています。
自分の欲求を抑えることで、皆が自分が上手くやっていけるのなら…。
紗理奈は文化祭や旅を通して、徐々に自身の変化に気づいてきます、祖父には迷惑をかけたくはない、でもこっそりと家に男の子を呼んだり、祖父の言いつけを守らず、バンドを組んで滅茶苦茶したり、自分の病気に構わず、ツアーに出たりと本人が楽しむがままに今までの平穏な毎日から空を破るように変化が生じてきます。ある意味、健全とも言える若者の欲求が芽生えてくるわけですw
そんな境遇や性格が似た二人が文化祭のバンドやバンドツアー行脚を通して互いに惹かれあっていく姿は自然であり、上手く描かれています。

物語の進捗は二人の付き合いを認めてもらう事という純愛物語でもあるのですが、その二人に立ちはだかるの紗理奈の祖父であり、二人は祖父を説得しようと正面から堂々と話し合いで解決しようとしています。

ただ祖父には紗理奈の父である健一の死が心に大きな負い目となっており、何よりも過保護になるぐらい大事な孫娘という事もあり、二人は中々認められて貰えない訳です。
そんな中、ギターに隠されていた紗理奈の父の真意を知るわけですが、あれほど強力な武器を持ちながらも二人は素手で戦おうとしている点がまさに似た者同士で、自分達も傷つかずに、大事な祖父たちも傷つかずに認めてもらおうと理想的な展開を目指しますが…。

結局認められないまま終わりを迎えるのですが、結局何が言いたかったのか…正直わからなかったです…w
純粋な恋愛物語としては二人が恋仲に落ちる過程が二人の性格や境遇と相俟ってシンクロしていく様は至極丁寧に描かれていましたが。
人は理解して幸せになれるのか?やはり理解しあっても(してても?)、どうにもならない事はあるんだなぁと。ただ理解はしなくても、人はわかり合えるものというのが、この場合は言葉はなくともですかね?渓流の魚釣りのシーンで物語ってた感じがします。

何というか、このモヤモヤとして不完全さが拭いきれないシナリオでもあったかもw

椎野きらり
きらりシナリオはEND1とEND2が存在するが、どちらも結構衝撃的な展開で鬱度合いMAXです。私的にかなり好みの展開でした。
椎野きらりシナリオは上記二人のシナリオを含め、本当の意味でもキラ☆キラの重要な位置を占める物語となっています。

この、クソったれな世界に、精一杯の愛をこめて。
きらりEND1に関しては、この一言に尽きると思います。主人公に対して一つの救済の手を出したシナリオでもないかな~と思います。

あまりにも理不尽な死…。あれだけの才能を持ちながらも、家庭崩壊、才能故の周りの視線、孤独、こんな非常識で腐った世の中でも、世界を愛し、人を愛し続けたのが椎野きらり。何か、ロックンロールの申し子っぽい雰囲気が漂うようなキャラクターでもありますが、私的にかなり好きなヒロインです。

椎野きらりも主人公同様に他人を思う気持ちが強く、自己犠牲を厭わないキャラクターなのはキラ☆キラのキャラクターの特徴ですね。

そんな、きらりがいきなり死ぬってあまりにも衝撃的でした…。当然、主人公もその後の生活は自分でも意識しないぐらいに自堕落な生活に変わっていくわけですが…。

そんな自堕落の生活の中にふと現れた椎野きらりの亡霊(?)。ま、まさかこの展開は…、実は生きていた?と思うぐらいにリアルだったので、、まさかまさかの展開と思っていました…、だって屋上に連れられた時、ドアをまさか開けた時、、あの時全てが始まったあの屋上で実は主人公を驚かそうと、千恵姉やカッシー達がギターやドラムを持って待ち構えて、パンパカパ~ン!みたいな展開なのか!?と少し期待感はありましたが、残念ながらそんな陳腐な展開ではありませんでした…ww これだけリアルで非情な展開を描いてるシナリオなのに流石にそんな夢物語はありません、現実に戻ってくださいと告げられた気がしますw

そこで見かけたのは、テニスラケットやバンドで使っていたベース、更にはカセットテープが…。これはまさに今まで主人公をキラ☆キラと輝かせ続けたモノばかり…。そこで主人公が本当の真実を知り、今まで逃げていた現実を真向から受け止める事で、あの時から涙を見せないと誓った主人公が号泣したのですよ…いやはや感動しました。

生きる事は楽しい事ばかりじゃないし、時には辛い時も、悲しく理不尽な事だってある、そんなクソッタレな世界を愛し続けたきらりのように、自分も精一杯の愛を注ごうじゃないか…!?そんな主人公を救ってくれたのもまた、きらりなんだなぁ…。あーショックw ここで健一みたいに世の中を絶望しながら死んでいくような展開にならないで良かったです…。そんな救いのないルートは嫌だ・・。

時間って残酷で時に優しい…。人は時間をかけながら癒されながらも残酷に蝕んでいくものだなぁと。

世の中ってむつかしいね
きらりEND2のキラ☆キラのTrue Endというべきシナリオでしょうかね。きらりEND2はこの一言が全てを集約してるかも(物語全部)。

このシナリオはきらりが生存する事で、今度はきらりの父親が死んでしまうシナリオでもあります…。
世の中ってどうにもならない事はある。主人公がぶつかる壁はとても大きく、どうしようもない事です。
きらりの父親は理解していても、どうしても出来ないと、当然第三者から見てもあまりにも理不尽で赦されてない行為ではありますが、うつ病って友人で一人いましたが、本当にどうしようもないぐらいにやる気がなくなるみたいです。自分ではわからないですが。

父親は娘や家族を思うが故に、更には自身が原因で家庭崩壊してしまった事にも気づいており、それが板挟みとなって自身がいなくなる事で解決しようとします…。
病院での主人公の出来事は、ある意味、自分との葛藤でもあり、父親がいなくなればきらり達が助かる、でも助かるかもしれない人を見捨てていいのかと自身で葛藤します…。後者を選んだ!と言うよりこの場を冷静に判断出来る時点で主人公の病み具合が非常にくっきり表している訳で…。

結局は助からなくて、主人公自身罪の意識からきらりを避けるようになるわけです…。この何とも言えない、鬱的要素に、この不穏極まりない堕落した展開は気持ち悪ささえ覚えますが、何とも生々しいリアリティに満ちた展開なんですよね…。

その罪から逃れるかのように、自虐的に村上にその事を語り、そして、きらりにもその事を告げるのです。
きらりはその事を告げられた、あの間が何とも言えない感じ…、そこから、きらりは以前話が来ていた歌手デビューをすると告げる…。

世の中苦しんでいる人達を救いたいと歌う事で夢を与えようとするわけです…、普通を望んだきらりが出した答えに、『世の中ってむつかしいよね』。

何というか、若い学生が、こんなに悩み苦しみ、こんな台詞を放ちながら会話する若者たちの姿って普通の環境で過ごした人にとっては何だか物凄い恐ろしいような気持ちを覚える物語っすよねぇ…何だか人生を達観したような人が放つ台詞って感じです、健全だけど健全ではない異様であり、これがまたやたらとリアリティのある描写なのですんごいっす、人間の生々しさがテキストを通してすごい伝わってきました。

■BEST シナリオ : 椎野きらりEND1

キャラクター(13点)


■ヒロイン
全員不幸属性を持つキャラクター。全員自己犠牲がかなり強いキャラクターで、それが物語のシナリオにすんごく絡んでいます。性格とシナリオの浸透性は見事な程で、キャラクターの良さや悪さを上手く構造させている点も見事。
特に主人公が持つ負の部分とヒロインが持つ負の部分の絡み具合が絶妙なんで、1,2章の明るくて派手な展開もすごい面白いですが、3章の個々のヒロインシ ナリオが是非やるべき!

キャラクターとしては、やっぱ椎野きらりが良かったなぁ…惚れ惚れします。次点で千恵姉かなぁ、何ともあの性格のアンバランスさが妙に良かったです。

■主人公
どこにでもいそうな等身大のキャラクターですが、どこか感情が抜け落ちており、それがシナリオに深く絡んできます。
女装主人公は久々…w

■サブキャラ
周りを固めるわき役たちも非常に個性的なキャラクターで良い奴ばかりです。ここぞという時のメッセージ性の持たせ方も、上手いなーと思ったり。

■BEST ヒロイン : 椎野きらり

システム(14点)


■インターフェース
ライブシーンがスキップ出来ない点以外は快適にプレイ出来ます。特に、至って普通のシステム。あのライブ感のある音響がとても良い。
各地を巡る行脚も、どこか地域性と密接した、少しマニアックな感じが良かったです。シナリオはシナリオ、音楽は音楽と切り離して描かれた背景はとても良かった。

■CG鑑賞&回想シーン
全104枚。少なめです。きらりが一際多い感じ。アルバム風のデザインで、ページ毎に捲らなければならないのはご愛嬌で
回想シーンは7シーン。

 

CG & BGM(13点)


■キャラ絵
CGはもう一つかな…><;
特に立ち絵が妙に雑な感じがした…。
躍動感を演出させるにはもう一つ凝ったCGが欲しかったかなぁと率直に思った次第。
ライ ブハウスらしいあの音響は良かったのですが。

■背景画
これも特には…と言っても、ご当地巡りなので日本(西日本限定w)のあっちこっちの名所がちょこちょこ見られます。
車一つで各地を回る巡業が良い感じです。やっぱライブハウスの雰囲気の良さが伝わってきます。

■BGM
全10曲。全て歌唱付きのみ。サウンドライブラリは無い模様。
青春時代は本当にロックを聴いて、ギターを弾きたくなって、実際に買ったりと熱いロックンロール魂はあったのですが(最近はたまにカラオケで歌うぐらい…)、良い意味で昔を思い出させてくれる熱いノリのBGMが良かったです。
特にsong forやOPのキラ☆キラは良かったなぁ…Let’s Jumpを歌うあの高まる高揚感を描いた点は熱かったっす。やっぱロックはいいなーと思う曲ばかりですよー。青春時代に聞いていたロックを聴きたくなるような感じになります

 

その他(5点)


久々にのめり込んだシナリオ。音楽の良さや青春をフレーズとした1,2章。時にコミカルに描き、ラストは各ヒロイン・主人公が持つモヤモヤを綺麗にキラ☆キラと輝かせたシナリオの良さにファッキン!

 

総評(91点 Aランク)


いやはや、すごい良かったです。多分どっちに行ってもとても良いゲームになったんではないかなーって思います。

どのシナリオも正直、とても不安定な形で終わりを迎えています。救済と言っても、ほんの些細なモノにすぎません。
なーんか、妙にモヤモヤした形でシナリオの幕はとじたのですが、世の中ってむつかしいね…というように、どの世の中にも完璧な人間っているわけないのです。

誰だって苦しみや悲しみを持っているんですよ…、そりゃ世の中に稀にそういった事もなく人生を謳歌する人はいるかもしれません。でもほとんどの人達は誰だってそんな環境の中で生きているわけなのです。そんな不完全な世の中だらこそ、やるべき事、夢や希望があるんです。誰だって先の見えない不安を恐れます、ミスチルだって歌って言ってるじゃないですかww

そんな先の見えない不完全な世の中だからこそ、一歩踏み込んで、自分なりに楽しんで、見えない明日に道を作っていくんですよ…その道が脱線したり、あらぬ方向に行こうともそれが人生…と。

例えば空を飛びたいと人類の夢をライト兄弟だって失敗を繰り返しながら、飛行機という産物を作ったわけです。もし世の中完璧ならば人が孫悟空みたいに武空術で空を飛べれば確かにすごい便利ですが、そんな現実にない事は起こるわけがありませんしw 世の中人間が何もすることがないぐらいに便利でも、それって何か面白くはないですよね…。 確かに面倒くさい人にとってはいいかもしれませんが汗。

そんな不完全な世の中だからこそ、人は目的を持って生きていけるんだなーとキラ☆キラをプレイして思いました…。な~んかちょっと意味合いが違った感じになりましたが…、

熱い青春を感じたい人も、鬱的な展開を楽しみたい方、是非プレイしてもらいたい作品です、内容的にも万人受けしそうな感じです…前半は。ファッキンロックンロール!と叫びたくなる事必至でしょう…w

キラ☆キラOP (youtube) OP主題歌 『キラ☆キラ』 歌:第二文芸部

 

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カテゴリ:Video Game

発売日:2009-02-26


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